明快!ハンデス・デッキ


【Q1:ハンデス・デッキとは、どんなデッキですか?】

遊戯王OCGを含むカードゲームは、基本的に手札からプレイしますから、ハンデス(手札破壊)は全てのデッキに効果的で、強いデッキと言えます。スタンダードと比較すると、ツボにハマッた時の威力は抜群ですが、安定感に欠ける「暴れ馬」デッキ!それだけに、使いこなせるようになると、充実感を感じることでしょう!中でも、完成度が高いトマト・ハンデスは、昔から大会上位者の方が好んで使ったことで有名ですね。手札、特にキーカードが落とされると、いかに強いデュエリストでも意気消沈してしまいます。つまり、精神的プレッシャーを掛けるのに、非常に適した側面を持つのです。ハンデスが序盤に炸裂する、たとえば先行1ターン目に双子悪魔2枚を発動出来ると...相手は泣くしかないです。巧みなプレイ技術に加えて、運が味方するデュエリストが使うハンデス・デッキは、次元を超えた威力を発揮すると思います。


【Q2:強いハンデス・デッキは、いつ頃誕生したのですか?】

昔から存在するハンデスの定番として、白い泥棒(シーフ)が有名でしたが、本格的ハンデス時代は双子、番兵、押収の登場と共に訪れました。これらMR組は、現在でも手札破壊の中心的な位置付けにあります。すぐに制限、準制限になった事実が、これらの凶悪さを示していると言えるでしょう!それ以外のハンデスカード、例えばシーフ、追剥ゴブリン、強制接収等との決定的な違いはどこにあるのでしょうか?1.他がコンボ前提なのに対して、単体で使えること。2.スパイ、2枚落としの付加価値を持つこと。3.状況次第で、コストを上回る威力を発揮できること、等が上げられます。これらが強すぎた反動からか、1年以上も新ハンデスが現れませんでした。ハンデス暗黒時代...対抗手段が強化され、再びスタンとの格差が広がりそうになった今年に入って、ようやく魅力的なカードが登場し始めました。最後に八汰烏...このカードの登場はある意味衝撃的でしたが、純粋なハンデス用ではありません。烏ロックをハンデスでサポートするという逆の発想と言えます。


【Q3:ハンデス・デッキには、どんなタイプがありますか?】

ハンデス・デッキと言っても千差万別です。ハンデス・カード毎に数種類はデッキが作れますし、それらの組み合わせによって違うコンセプトになります。属性、種族デッキなどの他コンセプトと融合させやすいので、全部でそれこそ数百種類は考えられるのではないでしょうか?「シーフ」、「ザルーグ」などのモンスターは、どちらかと言うと補助的な役割。魔法と罠を中心に分類するとわかりやすいと思います。古典的な「トマト・ハンデス(双子2+番兵型)」を中心としたバリエーションが最も多く、現在も主流ですね。単体のカードでハンデス効果のあるカードを中心として、「棺型」「煙玉型」 コンボを前提としたものでは「強制接収型」「貫通追剥型」などが有名です。「刻の封印」「はたき落し」等のドローロックは補助用、「八汰烏」は全く別コンセプトです。ハンデス・デッキは性能(=手札除去力)が試しやすいので、新デッキ構築が好きな方には、充実感が感じられるテーマと言えるでしょう!


【Q4:ハンデス・デッキの基本的構成を教えてください!】

ここでは、古典的で完成度が高い「トマト・ハンデス」を例にして解説します。中心は「いたずら好きの双子悪魔」×2+「強引な番兵」の定番魔法。双子2枚のコスト2000は厳しいので、「押収」は抜いた方が無難。罠では「マジック・ドレイン」×2。これ自体がハンデスと言うより、ハンデスとの相性抜群で、心理的な動揺を誘うカードとしてもお薦めです。ハンデス・デッキは相手だけでなく自分も手札切れに陥りやすい弱点があります。そこで、モンスターとしては「キラー・トマト」「黒き森のウィッチ」「クリッター」などの引っ張り系を2枚づつ投入して、場と手札のモンスターを切らさないようにしたいところです。止めの「キャノン・ソルジャー」を含めて闇モンスターが多いので、ほとんどを場に出せる「トマト」が戦略の中心となります。かつて定番だった「白い泥棒」の代わりに闇属性で守備力1500も強い「首領・ザルーグ」が新定番になりそうです。手札のアドバンテージを付けるために「天空騎士パーシアス」または「仮面魔導師」の投入も有効です。「刻の封印」「はたき落し」などのドローロックは入れるなら2枚ですが、40枚に絞るために抜く方向で...「八汰烏」を入れるとコンセプト変わるので抜き!最後にモンスター、罠の除去力を10%くらいUPさせると、プレイが楽になると思います。詳しいレシピは、ここの特選レシピをご参照ください。


【Q5:その他ハンデスの構成を簡単に教えてください!】

「追剥ゴブリン」 確実にダメージを与えるためには、パーシアス、スピアなどの貫通能力を持つモンスター+アクエリア、月の書、イタクァの暴風などの強制守備カードを組み合わせると効果的です。スピアは次の相手ターンで逆にターゲットになるので、護封剣、和睦などで守ると良いと思います。

「強制接収」 通常のデッキでは発動条件が施しくらいしかありません。つまり、効果が捨てるで終わるカード、例えばリグラス・リーパー、グレイ・ウィング場合によっては陽気な葬儀屋で早めに発動させます。一度発動させれば、クリボー、死者への手向け、マジックジャマーで面白いように手札を落せますし、手札抹殺、メタモルポットなどの荒業も炸裂可能。捨て札としてキラー・スネーク×3枚(+苦渋)またはサンダー・ドラゴンを入れておく必要があります。

「火之迦具土」 攻撃を通すだけで、相手手札を破壊しつくす重量級スピリットの爽快感が味わえます。カードの召喚→攻撃通しがコンセプトの全てです。速攻で2枚の生贄を用意するために、俊足のギラザウルス+心変わり、強奪で1ターン目召喚!または素早いモモンガなどの展開型、ドル・ドラなどの場持ち型を投入します。スピリットは手札に戻るので、場に出した時の一発勝負!相手手札のクリボー駆除に押収、番兵の投入をお薦めです。

「煙玉」 カードの効果で破壊された時にハンデス効果がある...と言うことは場のギア・フリードに装備すれば、コストなしで発動可能ですね。戦士ハンデス・デッキとの相性が良いと思います。場に出したままにしておくと、相手は羽根帚、大嵐を使いづらい...プレッシャーを掛けられます。マハーヴァイロとコンボで使うのも楽しそうですね。(ヴァイロ・ハンデス+集約の力、埋葬、団結、爆弾)

「呪われた棺」 ハンデスでは、手札除去と同様に場の掃除も大切です。マジック・ドレインと似たギリギリの二者択一を迫ることは、相手の動揺を誘うのに有効です。しかも、ドレインと同時に伏せた時に相手大嵐→ドレイン→罠が怖いから魔法捨てて無効化→棺発動!と一気に2枚手札を落とすことが可能!心理的なプレッシャーも2倍です。もちろん、ノーコストでドレインの効果が通ればOKですね。その名が示すように、呪われたカードかもしれません。かなり強いと思います。


【Q7:ハンデスのプレイングで、意識することはありますか?】

ハンデスの極意は「肉を切らせて、骨を断つ!」にあると思います。つまり、1000単位の重いコストを払う。ハンデスカードの存在が時には邪魔になる。こんなプレイ上の劣勢を、相手の未来を奪うことによって、徐々に自分のペースに持ち込む。そして、相手手札が崩壊させ、一気に止めを刺す!心理上では常に優位に戦うべきです。双子、番兵、押収、ドレイン、棺、煙玉、死デッキ...プレッシャーを掛け、動揺を誘う役者は揃っているのです。相手にウザいと思わせるハンデス・デッキは「精神波動攻撃」を意識してこそ、真の強さを発揮できるのです。(詳細は「海さん語録」参照)肉を切らせてのもう一つの意味は、ハンデスを使う側も手札切れに陥りやすいことです。双子以外のハンデスカードは相手手札から1枚落とすために、自分の手札も1枚消費している事実には意外と気がつかない。ですから、場と手札に、特にモンスターを切らせない。ウィッチ、クリッター、トマトなどの引っ張り、パーシアス、仮面魔導師など手札強化などを充実させて、カードの無駄使いを避けましょう!しばらく耐えていれば、相手から自滅してくれるはずです。眼の前の戦場(フィールド)以外の裏&心理戦を意識すると良いと思います。


【Q8:ハンデスの進化の方向性を教えてください!】

連載中に制限カード改訂が実施されて、双子は制限カードになってしまいました。今後は番兵1+押収1+双子1型。または中途半端になった双子抜きで、番兵1+押収1型に移行して行くことでしょう!「ハンデスは弱体化したのか?」いえいえ、運が良ければ安易に勝てた双子中心のハンデスが、より戦略性を重視したタイプに進化出来るチャンスだと思います。!押収+番兵型は相手手札を見て、柔軟に戦略性を立てやすいメリットがありますね。強引に2枚落とす双子よりも、プレイ上では深みを感じます。次に、強制接収、追剥、棺などの罠中心ハンデスについて。ウィッチ制限化により、お互いの展開力とサイコの召喚率はダウンするはずです。しかも、大嵐の制限化!罠が威力を発揮出来るチャンスですね。サイコ登場から続いた、罠・暗黒時代は終わりを告げたかもしれません。今後は「精神波動攻撃」要素を含み、戦略性に深みを持つデッキしか生き残れない時代になるでしょう!

ハンデスの構築やプレイングに使い手の感性を活かしたいものですね♪


【サンプル・デッキ】

1.トマト・ハンデス
2.ヤタ・ハンデス
3.リグラス・ダンピング(強制接収)
4.煙玉ハンデス(煙玉)
5.ハ・デス・ハンデス(悪魔族)
6.グレイブ・ハンデス(墓守)
7.追い剥ぎ墓守(墓守)