超魔導剣士ブラック・パラディンの魅力 〜大型モンスターの魅力外伝〜

TEXT BY MOTY(ブラパラ同盟)


「黒魔導の覇者」における大型モンといえば「アイツ&コイツ」「絶対服従魔人」「超魔導剣士ブラック・パラディン」(ブラパラ)ですね、前作と違い一癖も二癖もある大型たちがラインナップされています。
こいつらなんとかしたいな〜と思いつつ、特にブラパラに惹かれ(当たったし)デッキ板に投稿される皆さんのブラパラデッキを拝見していましたが、どうも今までデッキを組む意欲が沸いてこなかったのです。
というのも、私にとってはある意味究極の正規融合デッキである「マスター・オブ・ドラゴンナイト」(マスドラ)デッキがあり、マスドラの反則級の攻撃力5000!に比べるとブラパラはどうも見劣りしてしまっていました。そんなある日、


ブラパラ使うならやっぱりマジック・ジャマー効果使いたいよね〜。

でもただでさえ手札消耗の激しい「融合」デッキで手札コストは痛いなぁ〜。

蜃気楼もいいけど手札コストといえば、やっぱり「キラー・スネーク」(キラスネ)は3枚積みたいな〜。(私って3枚積み大好き人間ですw。)

キラスネ3枚入れるとどうしても事故起こすから「苦渋の選択」(苦渋)と「手札抹殺」(手沫)は入れほうがいいな。

?キラスネ3・苦渋・手沫?どっかで見たデッキだぞ!これ。

わかった!大型モンの弱点研究のために開発した「同族カイクウ」だ!。(同族感染ウイルス+霊滅術師カイクウ主体のデッキです。)

ブラパラと同族を組合わせたデッキって結構いけそう!。

というわけで完成したのが『〜究極の魔術師を求めて〜』です。デッキ名はちょっとキメてみました。
対戦時の決めセリフはもちろん!「貴様の憎しみをすべてぶつけてきな!粉砕するぜ!!超・魔・導・烈・波・斬!!。」


【サンプルデッキレシピ】〜究極の魔術師を求めて〜

★モンスター15枚
バスブレ2/心眼2/同族ウイルス2/ブレイカー/ならず/ウイッチ/クリッタ2/キラスネ3/ファイP

★魔法20枚
サンボル/ブラホ/箒/大嵐/サイク2/強奪/心変わり/壺/施し2/蘇生/埋葬/手沫/苦渋/竜破壊の証2/融合2/賢者

★罠5枚
リビング/勅命/破壊輪/神宣2

合計枚数 40枚

☆融合デッキ ブラパラ2 etc



☆サイドT[通常]15枚(モン5/魔法8/罠2)
サイコ/カイクウ2/同族ウイルス/異次元戦士/サイク/ブラックコア/抹殺の使徒2/押収/番兵/蜃気楼2/和睦2

☆サイドU[1キル対策用]15枚(モン8/魔法7)
サイコ/科学者/ネコマネキング2/墓守の監視者2/サイP/クリボー/サイク/蜃気楼2/押収/番兵/抹殺の使徒2

※通常は安定重視でサイドTを使用します。


ヴァンパイア・ロード(ロード)に若干弱いと思われるのでブラック・コアやカイクウを入れてみたり、ならず者傭兵部隊と異次元の戦士を入れ変えてみたり、神の宣告とわが身を盾にを入れ替えてみたり、2枚追加して42枚にしてみたり、強制接収2枚いれて嫌がらせ度UPしてみたり等して実験を繰り返し、デッキ板での貴重なアドバイスも頂きながら、一応完成に漕ぎ着けました。
このデッキは一応ブラパラが出せなくても勝てるような構成にしておりますがやはり「融合」デッキという不安定さから勝率は5割強といったところです。強いデュエリストの方々には概ね負け越しておりますが、それでも遊介さん、セバスチャン(メサイア)さん、セイントさん、時の魔術師さんといった強豪の方々の1軍デッキにも一度は勝利しています。(このデッキは不安定な反面うまく回ればかなりの破壊力を発揮しますので。)
また実力を試すために、テレポさん主催のチーム陽炎ランキング選(平成14年11月8日〜10日開催)に出撃!、3人の方とリーグ戦で対戦しました。結果は対ミヤコさん(スタン系)×(1−2)、対まあやさん(スタドレ)○(2−1)、対DADAさん(除外リセットヴィジャ)○(2−1)という結果で、決勝リーグへは全勝のミヤコさんが勝ち残りました。(ミヤコさんは決勝で遊介さん・K.Iさんと並んで同率1位でした。)決勝に残れなかったのは少々残念でしたが、そこそこの結果が残せて自分的には満足です。(サイドは悩んだ末、Vロード&キラスネデッキ対策のサイドTを使用しました、大幅なサイドチェンジはDADAさんとの3戦目以外は行いませんでした。)

それでは、サンプルデッキのプレイング考察を通じて、「ブラパラデッキのプレイングとは?」に少しでも迫ってみたいと思います。

@初手の「苦渋の選択」は勝利への第一歩
初手に苦渋がくる確率は40枚デッキでは16%です、これは約5回に1回弱の割合で初手にあることを意味します。(2マッチやれば1度は初手にくるかもしれないって感じです。)
このデッキは序盤に苦渋での圧縮に成功すればかなり勝つ確率が上がります、それはデッキが圧縮され、キーカードが引きやすくなるからです。また手札コスト用のキラスネを手札に持ってくることが出来ることも大きいですね。
苦渋で落とすカードはキラスネ>バスブレ>クリッターって感じでしょうか。バスブレを2枚落とすことは除外される危険があるので(サイドから入れたこちらのカイクウを奪われる・アンデッドデッキも主流のひとつなので生者の書で除外される等)状況にもよりますがなるべく避けましょう。墓地にあるバスブレを復活させる手段は証2・蘇生・埋葬・リビングと5枚もありますからかなりの確率で素材のバスブレを揃えることが出来ます。あとは心眼と融合(または賢者)を引くだけです。
クリッターを苦渋で落とすのはバランス的にクリッターは1枚でも十分なところを、苦渋が引けなかった場合に備えて2枚入れているためと、伏せリビングを箒やサイクで破壊されたときにリビングをチェーン発動してクリッターサーチを行うためです。(そういう意味でクリッター1枚はサイドチェンジ時の最有力スロットでもあります。)
中盤から終盤にかけて苦渋を引いたときは不要なカード(融合が完了したあとの賢者や証など)の処理にも使用すると良いでしょう。
苦渋を入れることによりマッチでストレート負けはそう無いということがわかっていただけたと思います。


A「神の宣告」はむやみに使うな
万能カウンターの宣告ですが、序盤に安直に使うとその厳しいライフコストからライフが持たないことも多いです。
宣告はなるべく温存し、ブラパラ融合完了後の天敵である「ならず・同族・リリー・罠」対策として使用するのがベストです。
「我が身を盾に」もほぼ同等の効果が期待できます。ライフコストは違うようでいて結構似たようなものですが、序盤では我が盾・終盤では宣告が優れます。ブラパラはいったん出してしまうと倒されない限りライフはあまり関係なくなります、そのためこの手のカードが大変有効です。
手札からでも使える我が盾のほうが若干優れるようにも思いますが、好みで使い分ければいいと思います。ちなみに私は終盤でも残りライフに関係なく使用出来る宣告を採用しています。
「ガーディアンの力」が発売されましたので、「亜空間物質転送装置」(通常罠)「自分のフィールド上の表側表示モンスターを1体選択し、発動ターンのエンドフェイズ時までゲームから除外する。」もノンコストでブラパラを守ることが出来る優秀なカードですので採用してみてもいいかも知れませんね。

B「ファイバーポット」で繰り返しリセット
このデッキは回らないと何も出来ないまま負けてしまうことがあります。また折角融合したブラパラがならず・同族・リリー等に倒されてしまうこともあります。
そういう場合はファイポリセットを積極的に何度も狙っていきましょう、サイドから入る霊滅術師カイクウの除外効果もありますのでブラパラの天敵を除外した上でリセットも良い戦法だと思います。勅命を張った状態や宣告を伏せた状態でなるべく安全な発動を心がけたいですね。(抹殺の使徒等から守るために。)
手札が悪い時にファイポに使徒食らってしまうとほぼ負け確定です。使徒を警戒してキラスネやクリッター等をおとりとして使徒を消費させておくのも有効な手段です。

Cなぜ「強奪」と「心変わり」か
このデッキにには生贄一体で出せる上級モンも「キャノン・ソルジャー」も入っていません。最近の風潮ではとくに心はキャノンが無いと抜かれることも多いです。
ではなぜ敢えてこのデッキに心&強奪を使用しているかというと、まず苦渋で落としたバスブレを相手に蘇生されてしまったときに奪って融合するためです。バスブレは現在の風潮では攻撃力ではほぼ最強に近いですから相手の蘇生に狙われることが結構あります、そのための保険として採用しています。
次に「同族感染ウイルス」です。このモンは相手のモンを奪って攻撃したあとその効果で破壊するというダメージのないキャノンのような使い方が出来ます。(キラスネが手札にあればほぼノンコストです。)3つ目が相手の裏守備対策です。ブラパラを出せば相手は裏守備が多くなるので使徒は非常に有効なのですが、融合デッキの悲しさで「融合」カード自体がスペースを取ってしまうため応用範囲の広い心をメインデッキに採用しました。


Dなぜ「ならず者傭兵部隊」か
これはCの心&強奪を採用したことによります。奪った相手モンとならずで攻撃してならずの効果で破壊といった使い方も出来ることから選択しました。
遺言系モンスターを封殺&永久追放出来る「異次元の戦士」のほうがいい場合もあるでしょう。
しかしながら異次元ではリバモンの効果が発動してしまうのに対し、ならずは発動しません。(逆にウイッチ&クリッターは効果発動してしまいますので悩みどころですが)
メインデッキでは抹殺の使徒がスペースの関係で搭載出来ないし、搭載しても1枚だと考えると「サーチ出来る除去」&蘇生により繰り返し使えるということでならずを採用しました。

E時には大胆に「手札抹殺」を使おう
このカードの基本的な使い方として理想は、苦渋でキラスネを落とし、手札に3枚もってきてから必要な魔法や罠を伏せて使用(キラスネ3あれば3枚ドローと同じことです)といった感じです。
ただブラパラデッキの場合とにかく高速で融合したほうが有利なので、キラスネが手札に無くても融合のためのキーカードが2枚手札に揃っている場合(例:心眼+融合が手札にある)は、手札の枚数によっては大胆に使うほうが良い結果が得られることが多いです。(時に自滅もありますが)
一度融合してしまえばつかうことのあまり無い勅命やブラホが手札にあったとしても手抹のドロー源としてみましょう。かなりギャンブル的な要素を含みますがこのプレイングを身に付ければより高速にブラパラの召喚が可能になります。
また同時に手抹は相手の行動を妨害出来る(手札に温存しているサンボルや蘇生等の制限魔法・ウイクリサーチしたモンスター、とくにブラパラの天敵となるならず・同族・リリー等を墓地へ捨てさせる)という効果も見逃せません。

Fジャマー効果を活用せよ
ブラパラを召喚したらそのジャマー効果(手札捨てて魔法無効化)を積極的に狙っていきましょう。
キラスネが3枚手札にあれは、相手の手札枚数によりますが相手は魔法をほぼ使えなくなります。
ブラパラは召喚こそ困難ですが、いったん場に出せば「マジックキャンセラー」と違い相手だけが魔法を止められてしまうという素晴らしいロック効果を持ちます。
通常はこちらに手札があれば魔法はどうせ止められるのだからと諦めて相手は魔法を使ってこなくなるのですが、上級者の場合わざと魔法の順番を考えて使用してくる場合があります。
そんなときに魔法を止める優先順位は破壊系(サンボル・ブラホ)>洗脳系(心・強奪)>ドロー系(壺・施し)=手札破壊系(双子・押収・番兵)といった感じですね。こちらが我が盾や宣告を伏せている場合は、手札の枚数と相談しドロー系は無理に止めず使わせるのも手です。
ブラパラを召喚した後は特に相手の手札枚数と墓地のカードを意識し、確実に止めたい魔法を止めていくプレイングを心がけたいですね。

G「ブラックパラディン」が出せないときは
私のデッキの場合、ブラパラが出せなくてもそれなりに勝てるように構成しています。
ハンデス食らって融合などのキーカードを墓地へ落とされたときや、手札が悪く融合出来ないときには、その分同族あたりが手札に来ているはずなので、同族を中心としたプレイングで切り抜けると良いです。基本的には同族の効果で破壊して殴るというパターンですね。またバスブレの墓地からの蘇生を「決め」の一撃に使用する(ATK2600+αです)ことでブラパラが出せなくても勝利することが十分可能です。融合素材にブラマジではなくバスブレを採用したのは、攻撃力が100高いことと、証によってサーチし易い&デッキが圧縮できることからです。
ブラパラが出せない場合にバスブレをあまり早いターンで召喚してしまうと相手に心や強奪で利用されたりサンボルなどの全体除去を喰らってあとの手が無くなるので、バスブレは「基本的」には決めの一撃に使用するのが良さそうです。


Hエンドサイク(サイクロン)で罠を防ぐ
ブラパラにとって天敵はモンスターだけではありません、罠の恐怖が待っています。破壊輪・ミラフォがもっとも警戒しなければいけないカード、激流葬・和睦等が時点というところでしょうか。
罠の被害を最小限に抑えるにはやはり「エンドサイク」というテクニックです。このためサイクロンは2〜3枚は積みたいですね。とくにブラパラが出ているときにはエンドサイクは非常に成功しやすいです、相手の除去魔法である箒・大嵐・サイクロンをブラパラの効果で止めることが出来るので伏せたサイクが破壊されることはありません。
具体的にエンドサイクとは罠が伏せた次のターンにしか発動出来ないことを利用して、あらかじめ伏せておいたサイクロンを相手のターンエンド宣言に併せて発動させ、発動出来ない状態の罠を破壊するテクニックです。ブラパラを召喚したら手札枚数に気をつけた上、エンドサイクを積極的に狙っていきましょう。

Iモンスターを展開させ過ぎない
これは一般的なデッキでもいえることですが、ブラパラデッキでは特に重要です。それはジャマー効果を有効に活用するためには手札を保って戦わなければならないからです。基本的に決めの一撃を与える時以外は、ブラパラ+1くらいを展開させておくと良いでしょう。相手が激流葬を使ってくる場合などは特に注意が必要です。相手の裏守備モンスターはブラパラ以外の1体で叩いてみて、その後ブラパラで攻撃というパターンを繰り返し、徐々に相手のライフを削っていくことに心がけましょう。手札さえあれば魔法はほぼロック出来ます。モンスターカードもブラパラのジャマー効果のための立派なコストですから。

J「融合」タイミングは慎重に
さて融合素材(バスブレ・心眼・融合)が揃いました。「融合!」ちょっとここで一呼吸おいて下さい。
相手の墓地に落ちている制限級の魔法は何か?、相手の手札は何枚か?、相手に伏せはないか、勅命は墓地にあるか?融合後のこちらの手札は何枚か?
これらを吟味した上で、融合しても手札が無くてジャマー効果が十分使えないと判断できるときは、あせる気持ちを抑えて融合をいったん我慢しましょう。ライフポイントが0にならなければ負けません。
極端な例を申し上げますと7999まで攻撃を食らっても勝つことは可能です。相手にラッシュの危険性があるときはそう悠長なことはいっていられませんが、手札があまり無い場合は少々の攻撃は食らうつもりで手札を確保したうえで融合召喚したいものです。

K勅命等用のおとり発動
ブラパラデッキにとって最も困るのは「王宮の勅命」や「マジック・ドレイン」等で「融合」を止められてしまうことです。「神の宣告」を前のターンに伏せてあったり、手札に「サイクロン」があればなんとか阻止出来ますが、そうでない場合はどういうプレイングを心がけたら良いのでしょうか?。それは「おとり発動」です。私のブラパラデッキには高速「融合」を目的としたカードが比較的多く搭載されています。そこで、相手に伏せがあってそれが勅命等マジックブロックである可能性が高い場合は、手札にダブったそれらのカードを勅命等のおとりとして使用してみましょう。具体的には手札にバスブレがあるときの「竜破壊の証」、手札に融合があるときの「融合賢者」、「心変わり」等ですね。
これらのカードは比較的手札にダブリ易いため、サイクロンでカウンター出来ないときはこれらをおとりに勅命を発動させ、相手が維持しきれなくなるのを待つか、ブレイカーを引くまで待ちましょう。ファイPでリセットしてしまうのもひとつの方法です。融合タイミングを逃すと勝ちが遠のいてしまうため、融合を決めるときには慎重の上にも慎重に。


L勅命はチャンスまで維持しよう
ブラパラ出してしまえば勅命はいらないんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかと思います。
実はブラパラと勅命は非常に相性が良いのです。融合はキーカードが3枚と多いコンボのため、決めるためにはある程度時間稼ぎが必要です。そこで勅命を引いたらチャンスがくるまでギリギリまで維持しましょう。自分のドロー系の魔法も使えませんが、相手も同様です。ブラパラ融合のキーカードを引いたら勅命を破壊し、融合です。勅命維持中に相手の手札に溜まった魔法カードはブラパラによって無効なカードと化します。あまり維持し過ぎると自滅することもありますが、ブラパラを出せばライフ差は一気に逆転出来ることが多いですから、勅命維持がブラパラデッキで勝利するための重要なプレイングのひとつです。

M苦手なデッキにはサイドチェンジで対応
42枚デッキにするという手もあったのですが、私は敢えて「引き」を重視し、40枚に纏めてみました。その結果、ピラミッド・タートルからロードを展開してくるデッキや、キラスネハンドアドバンテージデッキには若干弱くなっています。この手のデッキと対戦するときはサイドチェンジで対抗します。時には融合をあきらめて「同族カイクウ」にガラッとチェンジすることも勝利のためには重要ですね。

以上、徒然なるままにブラパラの魅力を皆様にお伝えして参りましたが、拙い文章でどこまで皆様にブラパラの魅力が伝わりましたでしょうか?。この拙文をきっかけにブラパラ使いのデュエリストが増え、自分なりのブラパラデッキを構築していただけることを願って、私は筆を置かせて頂きます。

最後に、ブラパラデッキ完成に対戦・デッキ鑑賞を通じて御協力下さった方々に、この場をお借りして御礼申し上げます。