伝説Jr.シリーズ

職人の国


★ 第一章〜旅立ち ★

その朝、伝説Jr.は妙な胸騒ぎを覚えながら目覚めた。

ジグソーパズルの大切なピースをなくした時のような...
ぽっかりと心に穴の開いた胸を押さえて、首をひねる。

「お父さん!...お父さん!?」
こみ上げる不安を、駆け出すことで押さえようとしていた。
無意識のうちに...

父の寝室では、ベッドがきちんと整えられていた。
思わず、布団の中に手を突っ込む。
「冷たい...」

外へ飛び出すと、TONが庭で落ち葉を掃き集めていた。
「やぁ!...おはよう!Jr.!」
「お父さんを見なかった?」
「いいや...実は寝坊して、今来たばかりだから...」
TONは、照れくさそうに頭を掻く。

「お父さんは、毎朝、庭での鍛錬を忘れないはずなのに...」
Jr.は太い樹の幹にある、焦げた跡をそっと指で撫でる。
「あっ...そう言えば、今朝は空気がのんびりしているなぁ
海さんの気合でいつもピーン!と張りつめているもの...」

そうか、空気か...不安の原因がわかったような気がして、
天を見上げる。Jr.の気持ちと裏腹に雲ひとつない。
「う〜ん...困った時は、とりあえず母様に相談してみれば?」
能天気なTONの声が何故か、思いやりを感じて嬉しかった。
「そうだね。よし!そうする!」

母は裏庭で、洗濯物を干していた。
「お母さん!お父さん見なかった?」
返事はなく、黙々と作業を続けている。
「ねぇ!お母さんってば!」
「男の子なら黙って、家の中で待っていなさい。」


母がエプロンで手を拭きながら、家に入ってきた時、
Jr.はテーブルの上にある美しい箱に見入っていた。
母はエプロンを外しながら、ゆっくりと椅子を引き、
いつもより深く腰掛け、背筋を伸ばす。
「箱の右側に置いてある鍵を手にとりなさい。手前の
中央に鍵穴があるから...」
箱の美しさには似つかわしくない、錆びた古びた鍵だ。
Jr.は手に凝縮された重みを感じる。
「さあ、お空けなさい」

鍵穴が開けられるのを拒むような、重い手応えだ。
『ギィ...ガチャリ』

「わぁ!これは...デッキ?こんなの凄いの見たことない...」
カードを手に取るJr.は興奮を隠せない。
「でも、戦士族ばかり...お母さん、もしかして?」
「そうよ!それはあなたのデッキ...あなたが生まれた日の朝から、
いつかJr.に渡そうとお父様がコツコツ集めてきた物」

「お父さん...」
Jr.は胸の奥から熱いものがこみ上げて来た。

「お母さん?」
Jr.は母の目が急に優しさから、厳しさを帯びたのを感じた。

「良く聞きなさい。お父様は昨晩から大切なお仕事に出掛けています。
それは厳しいお役目なのです。ところが...」
母はここで、一旦話を止めた。深呼吸をしてから続ける。

「実は、これは明け方に見た夢の話です。誰かが暗い地下室の中で
倒れていました。その周りには無数の悪魔が群がって近づけない...
そして、その中心に居た大男がこちらを振り返ったのです!その眼は
氷の眼...確か、あれは冥界の覇王...」

「ハ・デス!?」
Jr.は驚いてカードを床に落としそうになった。
何故なら、Jr.も明け方に全く同じ夢を見ていたのだった。

しかも、この村に嫁ぐ前に『伝説の巫女』と呼ばれていた母
の言葉には、逆らうことが出来ない重みが感じられた。


まだ、朝靄が残る中、旅支度をした伝説Jr.は「海さんの部屋」
と外界をつなぐ、門に立つ。
「よし、そろそろ行こうかぁ?」
Jr.の隣には自ら同行を申し出たTONの姿がある。

「TON!よろしくね。それからJr.ちょっと右手を開けて...」
「何?お母さん?」
Jr.の手には古ぼけた封筒が渡された。
「もし、危機に陥った時にこれを開けなさい。力になってくれるはず。」
「はい!」
力強く言い切ったJr.の言葉には、もはや一点の曇りもなかった。

「さあ!行こうかぁ...」
すでに10歩先を歩いていたTONが振り返って、手招きする。
彼らの眼前には、曲がりくねった細道がどこまでも続いていた。

そう!どこまでも...


★ 第二章〜職人の街 ★

その街では、伝説Jr.とTONは完全に舞い上がり、我を忘れていた。
寂れた漁村に過ぎない「海さんの部屋」と比較すれば、月と提灯。
勅命と魔法除去ほどの繁栄の違いを見せていた。初々しい二人に
とって、見るもの全てが珍しく、聞くこと全てが新鮮だった。

キョロキョロと周辺を見渡しながら、忙しい人波を避けて、ゆっくりと歩く
二人は、街に入ってから終始無言...場違いな印象さえ与えていた。
「おぉ〜い、Jr....とりあえず、どこへ行こう?」
「お母さんから『長老の家』に行きなさいと言われたよね?」
「そうだっけ?」
これではどちらが保護者だかわからない。若干8歳にして「使者」の役割
を与えられた伝説Jr.を助けるTONも20を越えたばかりだった。

「あっ!」
次の瞬間、Jr.のバックを小脇に抱えた男は10m先を走っていた。
周囲の喧騒に圧倒されて、Jr.は母の忠告を忘れていたのだ。
「おぃ!」
TONが慌てて追い掛けるが、男は素早く、大きな屋敷の中に
逃げ込んでしまった。
「全く、油断も隙もない街だ...Jr.どうする?」
「お父さんからもらった大事なデッキが...」
「よし!俺が取り返してくる」

「お待ちなさい!」
Jr.とTONが振り返ると、後ろには涼しげな顔をした、女と間違える
ほどの美男子が立っていた。
「ここは、主人が失踪してから、マミー盗賊団の住家となっています。」
引き込まれそうな澄んだ声に気を取られて、二人は一瞬状況が
飲み込めなかった。
「はぁ...でも...」
「常に4、5人は居ますから、あなた方では無理でしょう。よろしければ、
私が取り返してきてあげます。」
返事を待たずに、男は屋敷の中に静かに入っていった。

しばらくして、屋敷から放たれた眩い光がドーム状に包み込んだ。
汗もかかずに、バックを手にした男は屋敷から出てきた。
「『伝説のデッキ』は大切にしてくださいね。使うその時まで...」
「ありがとうございました。」
バックを手渡されたJr.は深々とお辞儀をして、その場を離れようとした。
「よろしければ、目的地までご一緒しましょうか?」

TONは無言でデッキケースに手を掛け、身構える。
「すいません。自己紹介が遅れました。私は怪しいものではありません。
『柏木』と言う流れ者です。そして、こちらが...」
いつの間にか、三人の後ろには帽子を深く被った痩せた男が立っていた。
この時、Jr.は不意に悪寒に襲われ、得体の知らない何かが体を貫いていた。

「『みち』と言う連れの者です。デッキを調整してもらうためにここに来てから
3ヶ月経ちますので、この街のことは良くわかっているつもりです。そうそう!
長老は今家に居ませんよ!我々も長老の家に行って門前払いを食らった
ところです。たぶん、デッキ職人集会場に行かれていると思います。」

一人で柏木は続ける。みちは無口なのか、ずっと黙っている。
「これから我々も、長老に会いに集会場に向かいますので、よろしければ
ご一緒にいかがですか?ここから歩いて20分くらいの所です。
運が良ければ時の魔術師・師範様の公開練習試合に
立ち会えるかもしれませんよ!」

「これは大変失礼しました。我々は不慣れな土地ですので、助かります。
実は、私...高名な時の魔術師様の公開練習試合を見たい一心で、
Jr.に付いてここまで来た次第です...」
「でも、TON...」
「いや、我々二人で長老を探そうとしても3日は掛かるぞ!」
眼が輝いているTONの耳には全く入らないようだった。
「だけど...」

「確か、今日は『新型1キルデッキ』を披露されるそうですよ!」
「それは、楽しみですねぇ...早く行きましょう!」
Jr.を置いて、三人は肩を並べて歩き出していた。
「待ってよう!」
得体の知らない不安を振り払うように、Jr.は駆け出していた。


★ 第三章〜若き決闘者たち ★

4人がデッキ職人集会場に足を踏み入れた時、
既に街中の決闘者が集結したかのような盛況ぶりだった。
人並みをかき分けて強引に最前列まで進むと、
中央に神官の姿をした20前後に見える若者が立っていた。

「それでは、今日は新型の図書館1キルを披露するとしましょう...」
落ち着いた声は、心に響く説得力を持っていた。

柏木はJr.とTONに向かって小声で話し掛けて来る。
「あれが時の魔術師様です。まだ若いのですが、深いカード知識と
実力は熟練者が集まるこの街でも『歩く図書館』と呼ばれて
尊敬を集めていらっしゃいます。」
Jr.が軽くうなずきながら、TONを見ると、上座に陣取る街の有力者と
見られる集団を素早く眼で追ってから、見知らぬ隣の男に話し掛けている。
「あの中に、長老様はいらっしゃいますか?」
「いや、居ないよ...そう言えば、ここ数日見掛けないなぁ」
「ふむっ...」

「まず最初に、対戦相手を決めることにしましょうか...」
時の魔術師は周りを見渡して、Jr.とTONに眼を留めた。
「初めて参加されるのですね?よろしければ、相手になって
いただきたいのですが...」
「Jr.お前が行け!」
「でも...僕なんか...」
TONは時の魔術師と眼を合わせながら、無言で
Jr.を決闘者の輪の中に押し出した。

「わかりました!早速、デッキの準備をしてください。」
覚悟を決めたJr.はうなずくと、肩に下げたバックからデッキを
取り出し、そのまま時の魔術師に手渡す。
「あぁ...もう調整済みでしたか?」
旅の途中、Jr.は暇さえあれば父から譲り受けたデッキを
ながめていた。今では、40枚全てが産まれた時からの
親友のような存在になっていた。
「言い忘れていました。ゲストに先行をお譲りします。」

お互いのデッキをシャッフルしてから、交換して充分な距離を置く。
審判らしき男が前に進み出て宣言する。
「それでは!デュエル、スタート!!」

Jr.が想いを込めて引いた手札は「増援、サンダーボルト、コマンドナイト
切り込み隊長、大嵐」の5枚。最初のドローが「強欲な壺」。
「よし!強欲な壺を発動!」(「死者蘇生、天使の施し」をドロー)
Jr.は震えるほどの興奮を覚え、冷静を保とうと深呼吸をする。

「次に天使の施しを発動!」(「停戦協定、団結の力、無敗将軍」をドロー)
「フリードと...停戦協定を捨てる!」
観客から、大きなどよめきが起こる。世界中から凄腕の決闘者が集まる
この街でも、1ターン目に壺と施しを引くことは滅多に見られない光景だった。

「増援を発動!」(ゴブリン突撃部隊を引く)
「モンスターを1枚を場に伏せてターン・エンド!」
Jr.は頬が火照ってくるのを感じていた。

「あなたのは天性の引きのようですね...しかもフリードですか!?」
百戦錬磨である時の魔術師も思わず唸った。
しかし、それは一瞬のこと...
「さて、それでは私も参りましょうかね?」
間延びしているようだが、決して自信を失わない言葉にJr.は恐怖した。

「まず、王立魔法図書館を攻撃表示で場に出します。」
(えっ?攻撃力0を攻撃表示?)」Jr.の常識は、既に破綻を始めていた。
「次に、トゥーンの目次を発動!トゥーンの目次を引く!」
「そして、もう1回」
「更にもう1回...トゥーンキャノンを引いてくる」
あっという間に、図書館の上に魔石が3つ並んだ。

「1枚ドロー出来ますね。ふむ、私も天使の施しを引いたようだ...」
「天使の施しで3枚引いて、マキュラとメタモルポットを捨てます」
「王家の神殿を場に出して、2枚罠を伏せます。」
「浅すぎた墓穴を発動してメタモルポットを裏守備に...これでもう1枚ドロー」
(Jr.はフリードを裏守備)
「伏せた罠を発動します。仕込みマシンガンで1600ダメージですね」
「さらにもう1回...これで、3200ダメージ」
「魔力の棘を発動して、太陽の書でメタモルポットをリバース!
これで6枚×500で3000、合計6200ダメージですね」

Jr.の手から、無敵の手札達がこぼれ落ちた。脱力感に襲われたJr.は急に
TONのことが気になってきた。TONは腕を組んで柏木とみちを見つめている。
彼だけが、この決闘の熱気から取り残されているようだった。

「さて、浅すぎた墓穴でもう1回メタモルポットを持ってきましょう。」
「これで場に効果モンスターが5枚並びました。最後はこれです。」
時の魔術師がゆっくりと表にしたカードは「停戦協定」だった。

「参りました。ご指導ありがとうございました。」
Jr.は頭を下げて、その場から立ち去ろうとした。
「ちょっと待って!私の知る限り無敗将軍はこの世界に1枚しかありません。
あなたは『伝説の海』さんの息子さんですね!」
「えっ!父のことを...」

その瞬間、不意に照明が全て消え、集会場を暗闇と混乱が支配した。
そして、稲妻と怪しい閃光が決闘者達に襲い掛かった。
「あっ...」
思わず目を閉じたJr.は自分のまわりを青いオーラが守っているのを感じた。

「TON!」
「間に合って良かった。Jr....海さんの名前を聞いて、悪魔共が慌てて
本性を現したようだぜ!さて、悪魔さん達はタッグ戦をご希望かな?
今度は練習試合ではない、真剣勝負だな...」
ニヤリと笑ったTONの横顔を、Jr.は眩しそうに見つめていた。


★ 第四章〜新たなる旅立ち ★

「あっ!時の魔術師様...」
Jr.が振り返ると、顔の前でクロスした両手から白煙があがっている。
「時魔大丈夫か?」
TONが明るく問い掛ける。
「この程度、全く問題ない。TONが事前に眼で知らせてくれたからな」
笑顔で応える。
「時魔、観客を外へ誘導してくれ。俺とJr.でこの場は引き受ける。」
「OK!TONはこれを使え!」
時魔はデッキケースから極彩色に輝くカードを抜き出し手渡す。
「よし!」
「まずは、非常用電源を作動させてくる。暗闇では悪魔有利だからな...」
時の魔術師は駆け出していった。

「二人は知り合いだったの?」
Jr.は眼を丸くしてつぶやく。
「ああ、俺達は海さんの傭兵時代の部下で『竜虎』と呼ばれた存在さ...」

「こらぁ!ごちゃごちゃ抜かしてるんじゃねえぞ!」
柏木は鬼の形相で、腰からデッキを抜き出してセットする。
「伝説野郎と一緒に、海の藻屑になるのだ!」
みちの声は、集会場に反響して重低音をこだましている。

「よし!詳しくは後で...今は目前の敵を全力で叩き潰す!」
「わかった...任せて!」
Jr.は自分の体にかつてない力がみなぎってくるのを感じている。
「たぶん、海さんはこいつらに不意を突かれたのだろう...油断するな!」
TONは時の魔術師から譲り受けた極彩色に輝くカードをデッキに加える。
Jr.は胸ポケットに大切にしまっていた封筒を空け、中から虹色に輝くカード
を取り出し、疑うことなくデッキに加える。

「よし、タッグ・デュエルだ...俺から行くぞ!」
柏木の咆哮から決戦の火蓋が切られた。
柏木:「『ビッグバン・ガール』を攻撃表示!三枚伏せてターン終了だ。」
TON:「何!?禁止となっているBBGデッキ?こいつ強いぞ!」

『大嵐!』続けてJr.が叫ぶ、竜巻が柏木のデュエルフィールドに襲い掛かる。
いつの間にか、柏木は元の涼しい顔に戻っている。
柏木:「ほほほ...罠に掛かったね!『王宮の勅命』をチェーンする!」

Jr.:「むっ...それでは、『切り込み隊長』を召喚...そして『コマンド・ナイト』を
   特殊召喚する。同じ炎の女を破壊せよ!行けえ!」
柏木:「『破壊輪』でそいつを破壊!」周辺を眩い光がドーム状に覆った。
Jr.:「ぐぅ...1枚場に伏せてターン終了だ...」
TON:「Jr.大丈夫か?」
Jr.:「大丈夫、強力魔法は温存しておいた。勝負は次のターンさ...」

みち:「ゆっくり行こうぜ!モンスターと1枚伏せてターンエンドだ」
みちの眼が怪しく光る。
TON:「『ゾンパイア』召喚!その伏せカードを攻撃!」
みち:「『Gウィルス』の効果発動!500ダメージでデッキから2体持ってくる...」
TON:「ターン...終了だ...」
柏木:「ほほほ...傭兵上がりは魔法に頼りすぎるのが悪い癖。『勅命』は継続
    します。『ビッグバンガール』を召喚、『ホーリーエルフの祝福』を発動!」
Jr.:「『コマンドナイト』召喚!ビッグバンガールを攻撃!」
みち:「Gウィルス1体を生贄に『ハ・デス』召喚!『切り込み隊長』を破壊!」
TON:『何?勅命+ハ・デス!?』
その瞬間、TONは頭を抱えてうめいた。

TON:「とんでも無い奴らを敵に回してしまったらしい...モンスター消耗戦
   では勝ち目がないぞ。」
Jr.:「諦めないで!信じれば必ず活路は開けるから...」
TON:「よし!このカードに運命を託す!」
その手で引いたのが、時の魔術師からの友情の証だった。
TON:「『魔導戦士ブレイカー!』 勅命を破壊する!Jr.後はまかせた」

柏木:「こっ...これは伝説のカード...ま、まさかっ...でも、まだ負けない。
    『ビッグバンガール』を生贄に『ハ・デス』召喚!ブレイカーを破壊する!」

Jr.は眼を閉じて、父と母の顔を浮かべた。
そして、引いたカードは、母から譲り受けた魂のカードだった。
「『ハーピィの羽根帚』で場の罠を一掃する!『天使の施し』でフリードと
 キラスネを捨てる、『死者蘇生』でフリードを召喚!準備は整った。最後は...
 母の魂のカード『同族感染ウィルス』だ!悪魔共め!まとめて成仏しろ!!」


激しい戦いは終わった。

やがて、伝説の海が時の魔術師の肩に持たれながら、
地下室の階段を上ってきた。
「おぅ!Jr....それに、TONも来てくれたのか...面目ない。」
「お父さん!!」
「海さん!Jr.は立派に戦いましたよ!」
「やめてよぉ、TON...」
照れたJr.は真っ赤になっていた。
「それにしても、TONの読みは凄かったね...どうして見抜けたの?」
「まあ、その話は帰り道にゆっくり...ね。ところで、高名な『時の魔術師・師範様』
も村まで、ご一緒にいかがですか?」

悪戯そうにウィンクをしたその眼は、いつものTONのものに戻っていた。

(【長老探しの旅】に続く)