軽〜エッセイ集12


【ユニオンの降臨秘話】

「おい!舞君起きろ!起きろってば!!」
激しく肩が揺すられる。
「ふわぁ〜。うほほ〜い!」
机の上に長い髪を放り投げていた舞ちゃんが、奇声と共に伸びをする。
「ようやく、お目覚めかね...」
寝ぼけまなこが、企画部チーフの空ろな視線と合って、またも奇声。
「うひぃ!チーフ...殿...?」
ここでは甘えの表情は通用しないことを本能的に知っている。
さてどうしようと思い、チーフをちらっと見ると、再び固まっていた。
「チーフ殿、また、煮詰まってたんですかぁ?」

コナミ株式会社A会議室、某月某日 深夜0時。
テーブルの上には、飲み掛けのペットボトルが散乱、
灰皿には無数のタバコが刺さっている。
チーフはネクタイを捻りハチマキにして、机の上に両足を投げ出す。

「今回も通常モンスターを登場させるかどうか議論してたところだ!」
「もう、通常モンスターは要らないと思うけどなぁ...」
何故か、プラモデルを組みながら、会議に参加している副チーフ。
「そうですね。使えないカードは捨てられる運命にありますしね」
前回の企画で大活躍した若手社員M君がすかさず同意する。

「今まで登場させた通常モンスターはどうするんですかぁ?
通常モンが消えるのは寂しすぎますぅ...」
舞ちゃんの発言。ここには、とても社会人と思えない独特の
しゃべり方を気にする人間は誰もいない。
「とは言っても、通常モンが存在する意味ないからねぇ...」
再びチーフ。何の重みもない発言である。

「う〜ん...と、じゃあ、意味を持たせれば良いのではぁ?」
「ん??」
参加者全員の視線が舞ちゃんの突き出した人差し指に集まる。
「おぉ...」
舞ちゃんの人差し指はホワイトボードに書かれたカード名を指している。
「大革命かぁ...!?」
「素材にするなら、やっぱりマイナー属性ですよね。炎、水...風かな?」
若手社員M君の頭脳にスイッチが入ったようだ。
「まず、「逃げまどう民」通常モンスター レベル2 炎 炎 600 600」
「次に、「弾圧される民」 通常モンスター 3 水 水 400 1400」
「最後に、「団結するレジスタンス」 通常モンスター 3 風 雷 1000 400...」

「あっ...真ん中のはレベル1で守備力も2000で良いんじゃない?」
何も考えていないチーフが口をはさむ。
「はぁ?レベル1で守備2000ですか?」
「うん。水モンスターって守備2000って感じするでしょ?」
「はぁ...(また始まったよ...」

「は〜い!うほほ〜い!舞ちゃんテキスト考えましたぁ!」
いつものように、元気に手を上げる。
「君はアラレちゃんかね?...」
チーフの歳がバレる発言は、舞ちゃんとM君には通じないぞ!w

「「大革命」 通常罠自分のメインフェイズで自分のフィールド上に「逃げまどう民」「弾圧される民」「団結するレジスタンス」が表側表示で存在するときのみ発動可能。相手の手札を全て墓地に送り、フィールド上の相手がコントロールするカードを全て破壊する。...それから素材はこれね♪」
「いつも苦しみに耐えているが、いつか必ず革命を起こすことを心に誓っている。いつの日か自由を手にする事ができると信じて日々の生活に耐えている。強大な力に立ち向かう誓いを交わすために集結した人々。ね?革命の日は近いって感じするでしょ?」

「...」
会議室を沈黙が支配する。
「舞君!?君って...一体...何者??」
副チーフが恐怖に顔を歪ませる。
「えぇぇ 舞ちゃんですけどぉ...」

「まあまあ...詳細は後で決めるとして、次行こう 「波動キャノン」?何?」
いつものようにチーフが止めに入る。
「これです!」
副チーフが指差した先には、組み立てていた宇宙戦艦ヤマトのプラモデル。
「ヤマトの波動砲をイメージしてみました。」
副チーフは胸を張る。
「効果は?」
「考えてません...」
「...おぃ!」

「は〜い!こんなのどうでしょ?「波動キャノン」永続魔法 フィールド上のこのカードを自分のメインフェイズに墓地に送る。このカードが発動後に経過した自分のスタンバイフェイズの数×1000ポイントダメージを相手に与える。」

「舞君!...君は天才だ!!」
感極まったチーフは、舞ちゃんに歩み寄り、右手を両手で握りしめる。
「あの...チーフ!?」
「なんだい?舞君」
「次回のシリーズのテーマって「ユニオン」じゃありませんでしたっけ?」
「うん、そうだよ」
「7時間経って、まだ「仕込みマシンガン」「パイナップル爆弾」「降格処分」
「覇者の一括」「大革命」「波動キャノン」の6枚しか決まってませんけど...
良いのですかぁ?趣味に走り過ぎではぁ?」

「......」

さあ、夜明けまでは時間があるぞ、頑張ろう! (完)


【心の豊かさについて】

「俺は最強のデュエリストだ!」「最強のデッキだ!30戦30勝だぜ!」
時々、こんなスレッドを見掛けますが、いつも「可哀想になぁ...」と
哀れに感じます。『心の貧しさ』を公衆にさらしているのに全く気付いて
ないからです。凄いと感心するどころか、反感を強めて孤立するだけ
なのがわからないのでしょうか?

こんな人は自己存在を否定されることに怯え、あらゆる手段を使って、
『ガラスの心』を守ろうとします。威張り散らす、切れる...どんな忠告
も意見も聞こうとしないので、全く手に負えません。当然、他の方との
断絶を生み、孤立化していくのですね。救ってあげられないのが残念
ですけど...自業自得?

今まで、色々なコラムで書いてきた通り、遊戯王には最強の決闘者は
存在しませんし、最強のデッキも存在しないと思います。あるレベル以上
の決闘者が集まれば、7割以上の勝率がどれだけ大変なことか...
もちろん、瞬間風速的には勝率の高いデッキはあるでしょうし、アジア・
チャンピオンが唯一最強と呼べる決闘者でしょう。しかし、運の存在を
考えれば、遊戯王OCGは毎回同じ結果になるほど単純なゲームでは
ありませんね。

間接的にしか今回のアジアチャンピオンについて知りませんけど、容易
に強さは想像できるほどなのに、謙虚な方と聞いております。強い人ほど
謙虚で、ネット上の強豪決闘者との交流を育み、新しいものを受け入れ、
より力を付けてゆく...これを『心の豊かな決闘者』と呼んでいます。

実は、海部屋の浪漫(目標)は『強い』決闘者育成よりも、『心の豊かな』
決闘者を共に目指そうというものです。『心の豊かな』決闘者は仲間と
楽しみながら、知らず知らずのうちに進化することができますからね♪

私の書いた全コラムは『心』と『感性』などの内面を意識して書いています。
語り形式を取っているのも、教えるのではなく、感じてもらいたいからです。
まだまだ私も未熟ですが、自信がなさげでは伝わるものも伝わらないので、
意識的に高圧的で、刺激的な議論に持ち込もうとしています。つまり、問題
意識を煽っているだけ...正解は皆様の感性の中にあると思うのです。 

今まで違和感を感じていた方...何となく理解していただけましたか?
今後とも「海さん語り」をよろしくお願いします。 m(_)m

★おまけ

えっ?昨日の「舞ちゃん秘話(だっけ?」は心の豊かさに通じるか?
う〜む...鋭い質問ですねぇ。無理に解釈すれば、笑いは「心の豊かさ」
につながると言うことで...笑えなかった人は、まぁ、それなりに(何

実は、作者は流して書いているので、何も考えてませんけどねw


【伝わる想い】

今日は高松で某関連会社の主催する「セキュリティ・セミナー」が開催されました。私も遥々、東京から参加!と言っても何と講師としてですが...(えぇぇ

明日も岡山で講師...と言うわけで、岡山のビジネスホテルで語りを書いてます。8時半まで、高松で関連会社の社長と同行した課長と一緒に飲んでいた時のこと。

「東京と大阪ではビジネスの文化が違う!」
豪傑で鳴らした社長はこう続けます。

「東京は頭の文化で、大阪は心の文化!理論的に納得出来るよりも
ハートで納得した方を選ぶ。これが浪花節や!」

「どうやら、この中で私だけ関東の人間ですけど...」
私の当惑した表情を見て、何故か社長はニヤリと笑って続ける。

「いや!8年くらいセミナーを見ているけど、君は抜群にプレゼンが上手い!どうでも良い建前論が全然ないし、いきなり、意表を突く始まりから、参加者を自分の世界に引き込んでいる!何より心に伝わるものがある。」

「はい!ありがとうございます。」
半分、酔っ払いの戯言とは言え、誉められると嬉しいものですね♪

最後に「明日もこの調子で頑張ってね!」と言われたのは打算的な香りも感じたけど...心の文化、伝わる想いには心から共感出来ました。


【演説者タイプについて】

今日は昨日の続きです。現在、前の演説者の眠くなるプレゼンをネットで
気を紛らわせているところです...何で、こんなに眠くなるのでしょうか?
今日は演説者をタイプに分けて、解説してみたいと思います。

1.だらだら型
初心者にありがちな、スクリーンの資料をそのまま棒読みしながら、
進めるタイプ。刺激がないので眠くなるw 子守唄型、お経型とも呼ぶ 

2.押売り型
自分の会社、製品の自慢話を中心にまくし立てるタイプ。「昔は...」とか
「わが社の変遷は...」は不毛過ぎます!自慢屋型、自己中型

3.自己陶酔型
プレゼン慣れした人で時々見かける、自分の演説に陶酔してくるタイプ。
観客の事はあまり考えていない。自分勝手型、演説ロボット型とも呼ぶ。

4.宣教師型
自分の世界に引き込んで、洗脳するタイプ。このタイプはプレゼンが上手い
と言われる。実際に商談に結びつく事も多いです。カリスマ型、詐欺師型T。

5.マジシャン型
意表を突く始まりで注目を集め、まるで手品のようなプレゼンを行うタイプ。
アンケートを取ると、いつも人気を集めるタイプ。精神波動型(何 詐欺師型U

結論:参加者の貴重な時間をもらうからには、眠らせてはダメ!楽しかった
役に立ったと歓迎されたいですね♪

下へ行くほど上手な演説者だと思いますし、私自身も目指しています。宣教師型、マジシャン型の欠点は、時間がたつと夢から覚めて、我に返ってしまうこと...夢の中に居るうちに段取り良く進めるのが営業の心得ですね♪

「あれっ?何でこんな商品買ったんだ?」遅いです。返品は認めません!(オィ


【距離感について】

自分と他人の間には「距離感」と言うものが存在します。他人にこれ以上近づかれると、警報が鳴る距離。つまり、何となく落ち着かなくなる限界点。この適正な距離感はもちろん個人差はありますが、国民性、または民族によって平均値も違っていると言われています。

日本人は、比較的長い部類に入ります。シャイという事でしょうか?w 他人との距離感が80cm。親しい人とは40cmくらいだそうです。韓国人は0cmでも大丈夫みたい...知らない人と肩も組んでも平気と言うことです。これは、国民性の違いでしょうか?

これをお読みの皆様の中で、適正距離を知りたい方は食事の際の距離がわかりやすいと思います。つまり、他人が全く気にならない距離はどのくらいか?と言うことです。例えば吉野家のカウンターに座る時に、他人とひとつ以上空けないと落ち着かない人は80cm以上、隣に座っても全く問題ない人は40cm以下とわかります。早速、試してみましょう!ちなみに、夫婦や恋人は0cmで当たり前ですからね...(意味深w

さて、遊戯王とそれぞれの決闘者の距離感を論じるのも面白いと思います。私の現状は、3m以上ありそうです。根拠ですか?ここ数ヶ月間、本棚のカードケースに全く触れていないからです。海部屋との距離は5km以上あるかも?だって、家のPCが壊れて、会社でしか入れないんだもん!w 皆様はいかがですか?


【伝説Jr.の距離感】

今日は昨日の続きです。Jr.の辞書には「人見知り」という単語は存在しないようです。つまり、距離感=0cm。3歳頃から、路上で知らない人に声を掛けたりしていました。「今日ね〜ピカチュウの映画見に行くんだよ〜」「ふ〜ん...パパと一緒。良いね♪」

小さい頃はジャニーズ系の母性本能をくすぐるタイプでした。コンビニでは女子高生の集団に囲まれ、デパートでは売り子のおばさん達に囲まれ...ナンパ師タイプなのか?

そう言えば、2歳の時にハワイに旅行に行った時、空港やホテルで外人さんの所へトコトコ近寄って、ニコッと笑顔!太ったおばさんから「Very Cute!(凄くかわいい!)」とか言われてましたね。「インターナショナルな性格!」と感心したことを思い出しました。

それが、今では「ふんっ!」が口癖の憎らしい性格に...人見知りしないと言うよりもふてぶてしくなっているような気が...まぁ、良いか?w

遊戯王では、いつもデッキを考えたり、暇さえあればデュエルしている=距離感10cm状態でしたが、カード盗難事件の後はどちらかと言うとコレクター。距離感1mの状態で時々、トレードしたり、カード整理をしています。最近は諦めたのか「デュエルしようよ〜」とは言わなくなりました。可哀想なのですが、こちらは全くやる気になれないので...