1月制限改定の意味


【はじめに】

激動の時代を迎えた時、与えられた条件は平等であるにも関わらず、「チャンスが来た!」と気持ちが高揚する方々と「今まで築き上げたものを失ってしまった...」と精神的に参ってしまう方々に分かれます。価値観が変動する際のプラス要素とマイナス要素、どちらを先に考えるかで反応が違ってくるようです。これは、今回の制限改定にも当てはまります。

前者の方々が得なのは明確ですね。改定を知って「よっしゃ〜」と燃えている方々に対して海部屋は全面的に応援します!新時代の教祖になれるかもしれませんよ!「蜃気楼、施し、クリッターが制限になってしまった。」「一軍デッキが崩壊してしまった...」とお嘆きの方々は早めに気持ちを切り替えて、改定によってもたらされた新感覚を感じてみましょう!少なくとも、この考察をお読みいただければ、何かを感じていただけると信じます。

前回の「5月改定」では28枚→43枚と、一気に15枚も制限カードが増え、価値観の大変動を生み出しましたが、今回は43枚→50枚の7枚と半分の増加に止まっています。今回制限の特徴は「ピンポイントで突出を押さえバランスを取った」。つまり、天使の施し、クリッター、悪夢の蜃気楼の制限化による「ドロー力制御=展開のスロー化」と魔導戦士ブレイカー、同族感染ウイルス(+キラースネーク)の制限化による「モンスター効果による除去力制御=決闘バランスの安定化」の2点がデッキ構成とデュエルに大きく影響を与えそうです。

蝶の短剣エルマの制限化は、問題になっている「図書館+Gフリードとの無限ループ制御」。強制転移の準制限化はウィッチ、クリッターが制限化された今となっては遅すぎた改定のような気がします。2枚使えれば充分ですから...いずれも、現在の主流とは離れた特定コンセプトだけがダメージを受けたと言えるでしょう。

前回改定では、特定のコンボ・デッキ群が大ダメージを受けましたが、主流系に影響を与えたのは「ならず者、ウィッチ、埋葬、大嵐、双子悪魔」の5枚。今回改定では「ブレイカー、同族、クリッター、施し、蜃気楼」の5枚と、確かに主流系は同程度の影響を受けるかもしれません。しかし、空いたスペースに入れるカードを考えるのは楽しいですし、デッキに1枚のカードが増えれば、変化に富んだスリリングな決闘が出来るかもしれません。そう考えるとワクワクして来ませんか?

ここでは、客観的かつ独自な視点で、隠されたコナミの意図を探って行きたいと思います。


【ポイント1:決闘高速化の抑制】

今回改訂の目的として、コナミが最初に手を付けたのは「蜃気楼」、「施し」、「クリッター」制限化による決闘スピードのスロー化。じっくりとデュエルを楽しめる環境に戻すことが狙いだと思います。第二期後半から登場したカード自体のインフレ(効果増大)+コンボの強力化により、決闘の高速化が一気に進んでしまったからです。

高速化の仕組みを解説すると、施しは3枚、蜃気楼は最大5枚までドローすることが可能。大量ドローによりデッキ圧縮してキーカードを早めに引ければ、序盤から強力カード、強力コンボを発動出来る確率が高まり、かなりのアドバンテージ(優位性)を持つことが可能。これらドロー系カードを先に引くことがデュエルの目的...つまり、デュエルに運の占める割合が高くなってしまったと言うことでは?これはコナミの意図に反するはずです!

「ブレイカー」「同族」の制限化も同様の狙いが含まれています。せっかく張ったバリアを問答無用に吹き飛ばされて、一気に殴られるのは辛いですからね...これらは別の目的も持つので、次章で詳しく考察したいと思います。

結論:今回の制限改訂は「デュエル正常化(スロー化)」が最大の目的です!さて、前置きが長くなったので、そろそろ個別のカード考察に入りましょう。

●天使の施し

強欲な壺と並ぶ基本中の基本カードとして、ほとんどのデッキに2枚入っていたカードです。例えば1キルデッキでサンダー・ボルト、王宮の勅命は抜けても施しは絶対に外せません。つまり、カードゲームの基本は「手札を出来るだけ多く引く=戦術の幅が広がる。」と言うことですね。墓地に上級、キラスネ、キャノン等モンスターを捨てておけば、蘇生系コンボで戦術の幅が更に広がります。施しで何を捨てるかがプレイヤーの腕の見せ所でした。今後は代わりのカードやプレイングでこれを補う必要がありそうですね♪

●悪夢の蜃気楼

制限化により、「蜃気楼(ターボ)デッキ」が消滅してしまうかもしれません。デッキに1枚では、コンボを期待出来ないからです。逆に制限化したことで、スタンダードなどの主流系他、どんなデッキにも抜けた施しの代わりに普通に入ってくる可能性がありそうです。ブレイカー制限化+強力罠の増大に対抗してサイクロンを1枚追加した「トリプル・サイク」構成が増えると予想していますが、3枚入れれば、蜃気楼とのコンボも期待出来そうですね♪

●クリッター

「ウィッチ」に続き、ついにクリッターまで制限化されてしまいました。A1500以下に魅力的な効果モンスターが続々登場している現在、汎用性の高いクリッターは魅力的なサーチ手段。ただし、増援、生者の書、ミイラの呼び声などの「特定種族サーチ」キラートマト、巨大ネズミなどの「特定属性サーチ」手段は数多く存在します。同族制限化と合わせて、一時期パワーダウンした感のあった「種族デッキ」や「属性デッキ」が息を吹き返すかもしれません。主流系では、クリッターの抜けた穴をゴブリン突撃部隊、異次元の女戦士などの2枚目と交換すればデッキ全体のパワーアップに繋がります。今後、増援は強くなりそうですね♪

ボクシングに例えれば、今まではフットワークとタイミング次第だった決闘が、足を止めて打ち合いに持ち込み、相手の出方を予想しながら決定打を打つスキを狙う...こんなスリリングな展開になると考えています。これは、丁度、前回改定の「双子悪魔」と同様の意味合いを持っているような気がします。「多少落ちた展開スピードをパワーとプレイングで補って楽しんでください!」こんなコナミの願いが聞こえてくるようです...


【ポイント2:種族デッキ・ロックデッキの復活】

黒魔導の覇者で「魔導戦士ブレイカー」と「同族感染ウイルス」は、それまで強化し過ぎた、現在主流4大種族デッキ(アンデット・戦士・悪魔・魔法使い)とロック・デッキへの抑制力として登場しました。コナミは一安心したためか、その後のガーディアンの力で「絶望、恐怖、合成魔獣、女戦士(以上種族強化)」「スキドレ、おジャマ、最終突撃(以上ロック強化)」と思い切った大量投入を行いました。「これからは種族と罠(ロック)の時代だ!」と考えたのでしょうか?

しかし、これらの能力が予想外に強く、種族&ロックデッキはかなりのダメージを受けました。もちろん、主流系のデッキも同じ状況ですね。これをお読みの皆様の中で、同族とキラスネが複数枚入ったデッキに悩まされたり、ブレイカー2枚以上のデッキと決闘して護封剣、ミラフォがほとんど使えなかった方もいらっしゃるでしょう!「護封剣、ミラフォ、スケープは使えなくなったので抜きましょう!」こんなアドバイスをデッキ掲示板で良く見掛けましたが、このクラスのカードが使えないとは、ある意味「異常事態」だったと思います。

この2枚の制限化により、4大種族デッキと、ロックデッキは復活はもちろん。これまで以上に強力になると思います。前章で述べた「デュエルの高速化、流動化の抑制効果」じっくりとデュエルを楽しめる環境になったことも見逃せませんね♪

それでは、個別カード考察に入りましょう!

●魔導戦士ブレイカー

このカードは制限化されたことで逆に、基本中の基本カードに昇進したと思います。通常召喚時のA1900、相手ロックを外せる強力効果は「絶対入れなきゃ損!」ロック解除力低下を補う「トリプル・サイクロン」は主流系デッキで流行りそうです。そして、3枚のサイクロンを無駄なく使い切るために蜃気楼投入!1枚なので、相手から見ればサイコと同様にマークしやすくなりました。月の書、押収で効果を使わせない...墓地に行けばサイク効果は心配しなくてOK!このように価値観は玉突きでダイナミックに変動していくのですね。ブレイカー制限化はデッキ構成に波紋をおこしそうですね♪

●同族感染ウイルス(キラー・スネーク)

同族+キラスネを2枚づつ入れた専用の構成デッキは一度ハマルと激強でした。せっかく、作った新型水デッキも流行らせる前に軌道修正の必要が...(悲 逆に、主流系のデッキではキラスネを2枚以上は入れることは少ないですし、手札コストが重いので同族は1枚だけ入れている方が多かったと思います。その意味で専用デッキ以外にはそれほど影響を与えないような気がします。相手にとっては、蘇生されると厄介なので、レッサーデーモン、女戦士、カイクウなどで除外を狙ってくるはずです!サイコ、ウィッチ、クリッタ、ならずなどの制限組と合わせて、今まで以上に慎重なプレイングが求められるようになるかもしれませんね♪


前回改定で制限となったニュートとブレイカー、ならず者と同族を比較してみると、誰が見ても、同等以上の能力を持っていますよね?今回改定では、「蜃気楼」と「施し」に批判が集中。ブレイカー、同族は大半の方が納得されたようです。近いうちに制限化されることを予測された方も多かったのでしょうか?収まる場所(制限)に収まった感じがしています。1ヶ月も経てば皆さんも、制限以前の時代を忘れてしまうでしょうね♪12月中にブレイカー、同族、キラスネを2枚づつ入れたデッキで大いに楽しみましょう!


★おまけ スタンダード・デッキの制限密度UPについて

試しに、2年前に使っていたスタンと来年からのスタンを比較してみましょう!

●2年前スタン(懐かしい感じがしますね〜)

★モンスター 18枚
 サイコ/デーモン/ゴブ突/ヴォルス3/トマト/ウィッチ2/クリッタ2
 キャノン/異戦士/仮面魔/セイマジ/サイポ/クリボー/キラスネ 
★魔法 16枚
 サンボル/ブラホ/帚/大嵐2/サイク2/使徒/地割/心変/強奪
 蘇生/埋葬/壺/施し2
★罠 6枚 
 破壊輪2/ミラフォ/勅命/リビング/停戦

以上40枚中、制限14枚

●来年スタン(調整中ですが、結構イイ線行ってませんか?)

★モンスター 17枚
 サイコ/レッサー/ゴブ突2/ニュート/ブレイカー/同族/カイクウ/トマト
 ウィッチ/クリッタ/異戦女2/ならず/死霊/セイマジ/キラスネ
★魔法 18枚
 サンボル/ブラホ/帚/大嵐/サイク3/使徒/強奪/蘇生/埋葬
 壺/施し/増援/蜃気楼/月/押収/番兵
★罠 5枚
 破壊輪/激流葬/勅命/リビング/停戦

以上40枚中、制限24枚...やっぱり制限密度が大幅UPですね!w


【ポイント3:デッキに1枚の意味とは?】

ここまで5枚のカードの考察を行ってきました。残りのカードを簡単を触れておきましょう!「キラスネ」は同族、ジャマー、サンブレの使い勝手に多少影響が出る程度。「強制転移」はウィッチ、クリッタ、キラスネ制限で威力半減...何を今更準制限?と言う気がします。

さて、最後の1枚「蝶の短剣−エルマ」に注目してみたいと思います。このカード自身は図書館+Gフリードの無限ループを抑制、短剣1キルは厳しくなったの一言で終わりです。ここで注目するポイントは「何故デッキに1枚だと特定コンセプト・デッキが消えるのか?」これを考察してみたいと思います。何故なら、制限改定毎に28→43→50と使用頻度の高いカードが次々と制限化される時代を迎えるからです!

●「コンボを狙う」、「流れの中でコンボを発動する」

前者は「最初から特定のコンボを発動することを目的としてデッキを組み、プレイングも特定カードのサーチと発動を中心に組み立てること」後者は「場と手札を見て、その時点で最も有効なコンボを探すスタン系の戦術」です。通常、前者を狙うためにはデッキには2枚以上投入する必要有りと言われています。何故でしょう?

わかりやすく説明するために、デッキ40枚中、実際のデュエルで何枚ドロー出来るか検証してみます。個人的な感覚では、かつては5〜8ターンくらいで勝負が付いていましたが、蜃気楼時代には3〜6ターンくらいに高速化。今回の改定で、4〜7ターン程度になりそう。ここで、壺、施し、ウィッチ、クリッタを1回づつ使うとすると、16〜20枚程度ドロー出来ます。つまり、確率的に1枚カードの発動率は約40%、2枚カードの発動率は約80%まで上昇するからです。

「それでは、2枚よりは3枚が良いのでは?」はい!発動させるためにはその通りですが、逆に3枚ですと「同じカードが手札にダブる可能性が高くなる(=手札事故と呼びます)」コンボカードは単体では強くないことが多いので、バランスを考えて2枚が丁度良いです。もちろん、特定コンボ発動が主な目的の場合(=尖らせると呼びます)3枚でもOK!

結論1:特定コンボを狙うためには、デッキに2枚!1枚の場合は流れの中でコンボ発動!

結論2:ネーミング理論で触れた通り、制限カードはデッキ・コンセプト名にならない法則があります。例えば、「サイコデッキ」「サンボルデッキ」...聞いたことありませんよね?これが「蜃気楼デッキ」が消えた最大の理由かも?(オィ!

●代替カードの存在 「制限兄弟の法則」

これは大切な概念だと思います。制限カードを良く見ると同じような効果を持っているカード群に分類されます。類似の2枚セットでデッキに入れると、どちらかを発動出来る可能性80%となり、戦術を組みやすいと思います。同様の効果を持っていれば、同様のコンボ相手カードと相性も良くなりますからね。

例えば、サンボル&ブラホ、帚&大嵐、蘇生&埋葬、壺&施し、押収&番兵、ウィッチ&クリッタ、同族&ならず...など

イメージが湧かない方は、実戦の際に使い方を意識してみてください。1枚だけ孤立した感じのカードは単体での強さと、汎用性を優先させたいところです。例えば、単体の強さではサイコショッカー、王宮の勅命など...汎用性でキラスネ、月の書などです。

●ドロー三兄弟


壺、施しが1枚づつの場合、1回のデュエルでどちらか一方しか発動を期待出来ません。今までの感覚を重視して、2回発動させるためには、蜃気楼を投入してみましょう!増援、トマトなどで補う方法もありますが対象が限られるため、しばらくこの三兄弟で試してみてはいかがでしょうか?3枚の合計でドロー最大枚数10枚...これだけ引ければ、充分キーカードを意識したプレイングが可能ですね♪

●戦士三兄弟

同族も制限化されたことですし、主流系では戦士+増援を大いに活用したいです。感覚的にデッキに戦士4枚有れば増援は充分使えますし、戦士6枚なら増援2枚で問題ないはずです。増援は勅命で止められる欠点はありますが、(ウィッチ+クリッタ)/2の汎用効果を持っているのが心強いです。特に、相手のヴァロン、レッサー、守2000★4を破壊出来るゴブ突、上級+引張りを封殺出来る異戦女の2枚は、使う局面が多いので、どちらかを2枚積み、または両方2枚積みでも問題ないでしょう!いづれにせよ、制限化されたウィッチ、クリッタは、ピンポイントでキーカードを引く存在になったようです。ウィッチでゴブ突、クリッタで異戦女を引いては勿体ないですから...


【ポイント4:新制限のスタン・デッキ像とは?】

第三期に入ってから、スタンダード・デッキに手札破壊(ハンデス)系カードを入れるのが普通になって来ました。相手手札を確認した上で戦略を立てられ、キーカードを落とせる「押収」「番兵」。スキを見て手札を減らせ、壁にもなる「死霊」。激流葬を中心に、相手の場を一掃してからロックにハメる「八汰烏」...

一部では両方のコンセプトを合わせて「スタン・ハンデス」と言う造語も生まれているようですが、元々、スタンダード=「その時代のメタ(対策)の集合体」「大会デッキ」と考えれば、これが新スタンダードと呼べるのではないかと考えています。

このデッキは「流れの中で手札差を広げ有利に戦うための『手段』として使うデッキ」。以前はハンデスの代表格だった「双子悪魔」も制限化されたことで、スタンで使っても良いカードになりました。客観的に分析すると「相手との手札差を確実に1枚広げる」もちろん、ハンデス対象を選べないデメリット、絶望、精霊の鏡などのメタカードの存在を考えると安定感を追及するスタンでは使い辛いですけど...

これに対して今後のハンデス・デッキは「パワー、プレイングなどを犠牲にして、手札破壊を『目的』とするデッキ』と定義されると思います。例えば、強制接収、追剥ゴブリン、煙玉、棺、封印などの2枚以上投入出来るコンボ・カードを中心としたデッキに限定され、「ハンデス」は特殊なジャンルになると考えます。

さて、前置きが長かったので本題に入りますが、今回の改訂で蜃気楼が制限化され「蜃気楼(ターボ)デッキ」と呼ばれる、主流系のコンセプトが消滅した感があります。この考察で何回も述べているように、「双子悪魔」の逆の意味で普通にスタンに入ってくる可能性を感じます。これも問題は安定感...双子と並んで使うからにはある程度の「腕力」と「覚悟」が必要かもしれませんね。

また、施し、クリッター制限化で空いたスペースに戦士系(ゴブ突、ゾンパイア、異戦女、アマ剣+増援)。またはアンデット系(ヴァロン、絶望、ピラタ+生者、ミイラの呼び声)を入れる選択肢もあると思います。これは、種族を意識した新しいスタンのタイプ...今後、「戦士系スタンダード・デッキ」「アンデット系スタンダード・デッキ」など、スタン内の1ジャンルとしての位置付けを獲得するのではないでしょうか!?

結論:今回制限改定により、従来の主流系「スタン、ハンデス、ターボ、戦士、アンデット」の境界が崩れ、これらを融合させたパターン毎に『XXX系スタンダード』が誕生する!?


★サンプル・レシピ

両方とも、蜃気楼とハンデス系を隠し味として使います!

●戦士系スタンダード(と言うよりもほとんど戦士デッキですね(汗

★モンスター 16枚
 サイコ/ブレイカー/ゴブ突2/コマンド2/異戦女2/アマ剣2
 ネズミ/隊長/異戦士/ならず/ウィッチ/クリッタ

★魔法 19枚
 サンボル/ブラホ/帚/大嵐/サイク3/使徒/強奪/蘇生
 埋葬/壺/施し/蜃気楼/増援2/番兵/押収/団結

★罠 5枚
 破壊輪/激流葬/勅命/リビング/停戦


●アンデット系スタンダード(と言うより、これは完璧に...(滝汗

★モンスター 16枚
 絶望2/ヴァロン2/ピラタ2/恐怖/死霊/ネズミ2/ウィッチ
 クリッタ/ブレイカー/異戦女/ならず/キラスネ

★魔法 19枚
 サンボル/ブラホ/帚/大嵐/サイク3/使徒/心変/強奪
 転移2/蘇生/生者/ミイラ/壺/施し/蜃気楼/押収/番兵

★罠 5枚
 破壊輪/激流葬/リビング/勅命/強敵


【ポイント5:新制限によるカード価値の変動】

ここでは、私的な判断基準で、「価値の上ったカード群」を考察してみます。価値観は個人の感性、プレイングによって違ってくるので、皆様も同様のリストを作ってみることをお薦めします。形にしないと見えない「埋もれた感性」を確認するためにもぜひ!

価値観の上ったと思われるカード群

●ドロー、圧縮強化カード
(施し、蜃気楼の穴埋め)

[悪夢の蜃気楼] 特殊なカードではなく、どんなデッキでも使えるカードになった。
[苦渋の選択] 聖なる魔術師、戦士の生還、生者の書、降霊儀式、泉の精霊とのコンボで!ゴブリン突撃部隊、異次元の女戦士などは2枚づつ入れるのが望ましいかも?
[メタモルポット] 1キル系では浅すぎた墓穴、太陽の書とのコンボが基本!手札切れしやすいデッキなら投入候補!
[天空の騎士パーシアス] A1900を補う構成なら大活躍しそう!バオウとの組み合わせはお薦め!

●ハンデス・ドロー無効化カード

[押収、番兵] ハンデスと言うよりは、相手手札を見られることが最大の魅力。
[いたずら好きな双子悪魔]  確実に1枚手札差を付けられるのは大きい。
[魂を削る死霊] モンスターで突破できない壁としても有効。(>ザルーグ)
[精霊の鏡]  施し制限化で標的が減ったので、相手デッキに双子、押収、番兵の3枚がある場合に投入。

●サーチカード(クリッターの穴埋め) 墓地のカードを上手に使うのがポイント

[増援] デッキに戦士族4枚以上なら入れたい。
[キラー・トマト] ウィッチ、クリッタ、キャノンのサーチ用に。
[ピラミッドタートル] デッキにヴァロン2枚以上なら入れたい。
[墓守の偵察者] 長槍兵、トマト、降霊等と一緒に2枚以上入れて使ってみたい。
[聖なる魔術師] ほとんどの強力魔法が制限化されたので、リサイクル用に。月も入れよう。
[魔導書整理] 隠された能力に気付いている方はかなり多いみたいですね。
[遺言状] 使い勝手としては微妙かもしれませんが...

●除外カード 今後墓地の支配が重要に!除外が一番!

[異次元の女戦士] 任意の除外効果+A1500は今後の主力!2枚投入もお薦め!
[霊滅術師カイクウ] サイコ、絶望、ウィッチ、クリッタ、キラスネを使わせない!
[レッサー・デーモン] 上記+ヴァロン、守2000モンスターに対しても効果絶大!
[ロスト] 蘇生系カードが増えた現在、充分メタ(対策)になるかも?

レッサー、異戦女、カイクウが入ったデッキ相手なら、バズー+奇跡の発掘も面白い
かもしれませんね。

●効果無効化カード モンスター効果、魔法を使わせないのが大切に!

[冥界の覇王ハ・デス] トマト、ウィッチ、クリッタ、ピラタ等の効果シャットアウト!
[破邪の大剣ーバオウ] インスタント「ハ・デス」化が魅力。団結と並ぶ主流装備魔法に!
[スキル・ドレイン] 自爆を避ける構成が必要。特殊なロック向きか?
[魔封じの芳香] ブレイカー制限が大きい!トリプル・サイクの存在は脅威かも?

●ダメージ系カード 一進一退の攻防が増えるので、LP差をつけるのは有効!

[停戦協定] 復活の兆しのあるリバモン無効化+同族除去+確実ダメージ!
[キャノン・ソルジャー] 墓地に捨てておいて止めの一撃に活用!

施し、蜃気楼、クリッター、ブレイカー、同族の穴埋めを考えずに積極的にパワーカード
除去カードを入れると、「足を止めて叩き合う」コンセプトに進化出来ると思います。


【おわりに】

この考察を12月から書き始めて、ついに制限改定の実施された1月になりました。制限改定が実施されてからまだ1週間に満たないにも関わらず、決闘者の皆様には当然のように受け止められている感じがします。逆に何も考えなくても、制限・準制限に従わざるを得ない訳です。

最初に戻りますが、制限改定にはそれなりの意味があり、コナミも今までの反省とこれから新カードを出すために改定しているのですから、その背景と意味を考えてみることも必要だと思います。つまり、現在のデュエルで強いと言われるカードやコンセプト、それに対抗するためのメタカード、デッキについてです。

制限改定が実施されるたびに制限カードは増えます。今では制限50枚!主流系で使われるカードの半分以上が制限という時代を迎えました。制限化されたカードは今まで以上に戦術上大切になって来ましたし、空いたスペースに入れるカードの選択センスも活かせる時代になりました。

感性を磨き、デッキ構築からプレイングまで、その感性を活かせるようにしたいですね。今回の制限改定によって自由度が狭くなったのではなく、これまで以上に自由な発想が活かせる時代になったと思いますよ♪それでは、また〜