明快!水デッキ


【Q1:水デッキとはどんなデッキですか?】

「柔よく剛を制する」まさに水デッキのためにあるような言葉だと思います。パワーより技を重視した、テクニカルなデッキと言えるからです。平均攻撃力が低く、正面からの単純な殴り合いは分が悪いですが、それを補って余りあるのは、他属性に類を見ない、水モンスターのコントロール性です。アクエリア、プリンセス人魚、ナーガ、ゼノ、魔力吸収球体、ペンギンソルジャー、キラースネーク...攻撃力が貧弱と舐めて掛かると大火傷を負うかもしれませんよ!

「蝶のように舞い、蜂のように刺す」 相手の攻撃を巧みにかわして、貫通モンスターで鋭い反撃!精神を研ぎ澄まして、場と手札を巧みに連係。水のような流れるコンビネーションこそ、水デッキの真髄と言えるでしょう!真の水使いは水デッキの特異性と限界を知り尽くしているので、覚悟が違うのです。

ですから、水デッキ・マスターの第一歩はその特異性と限界を知る事始まります。キーワードは「コントロール」。相手の場、手札、プレイを巧みに支配して、勝利を自ら引き寄せるのです。水デッキを使った時、相手に「ウザイ」とか「計算が狂った!」と嫌がられる戦術を取れれば、水使いの資格十分だと思います。

水デッキそのものがコントロール系ですが、もっと難度の高い枷魔封じ、ウィジャなどのコントロール系と組み合わせることで、より相手の計算を狂わせることが可能となります。今まで、水デッキを扱ったことのない方もこの機会に挑戦してみてはいかがでしょうか?独特感覚の体験が、あなたのデュエリストとしての幅を広げるかもしれませんよ♪


【Q2:水デッキの歴史を教えてください】

守備2000の★4以下モンスターが一番多い属性は何だと思いますか?ほとんどの方が納得される通り、正解は「水」です。古くはアクア・マドール、島亀、ヒューマノイド・スライムから始まって、新しい所ではナーガ、海神の巫女。最新シリーズでは、なんと★1の守2000登場!大革命素材の弾圧される民ですね。他にもペンギンソルジャー、キラースネークなどイザと言う時に頼れる守備型が多いのも特長と言えるでしょう! 

つまり、原作とコナミが共通してイメージする水モンスターは守備力は高いが、破壊力に欠ける...ウザイだけの存在?(哀 2年前から水を主力で使っている感覚では、コナミ的には闇、地、少し離れて光、風、そしてかなり離れて水、炎。こんな順列になっているようです。過去に闇、地、光、風の強化を意識したシリーズはありましたが、まだ、水と炎はありませんし、攻1900を越す★4がないのも根拠の一つです。未だに通常★4の1800のシーザリオン、Rフィッシュが主力では...

そこで、水デッキではウォーターワールド(WW)、海デッキでは海、伝説の都アトランティスでの強化が必須と考えられていました。下駄を履かせて、初めて他属性の1900と対抗出来るようになる...フィールドカードの存在によりプレイが重くなるのは、水使いの宿命と我慢するしかなかったのです。

ところが、プリンセス人魚、アクエリア、魔力吸収球体の特殊効果トリオの登場で、新しい水デッキが誕生することになりました。昨年の夏頃、WB、WC、WWを連続して発表して「ウォーター・ルネッサンス」を提唱していたのが懐かしいですw その後も、ナーガ、ゴラ、ゼラ...など少数ですが異質なモンスターの登場により、徐々に新生水デッキ誕生の下地が出来てきました。

魅力的な上級、★4のアタッカーに恵まれることのなかった水デッキの生き残る道。それは、独特のコントロール性で戦況を支配して、アタッカーは他属性の抜けた存在に頼ることでした。つまり、サイコ、ハ・デス、パーシアス、ニュート、スピアなど...属性デッキとしてはやや変則的な構図により、逆にフィールドカードの呪縛から逃れて、独自の進化を始めることが出来たのです!


【Q3:ウォーター・ルネッサンスとは何ですか?】

ルネッサンスは世界史上で、ローマ帝国崩壊後の中世から近代への過渡期の総称。具体的にはイタリア芸術、建築の新生運動を指します。ここでは、水デッキの近代化と新生の意味を込めて使うことにしました。フィールドカードを使う従来の水デッキは、ファンデッキの域から中々脱却出来ませんでした。主な理由は下記の通りと分析しています。

1.フィールドカードが場に出た時とそれ以外で戦力差があり過ぎ。
2.フィールドカード分の貴重なスロット2枚分消費する。
3.コンボを前提とするので、どうしてもプレイングが重くなる。
4.羽根帚、大嵐、サイクロンなどの除去魔法に特に弱い。

4については5月制限改定の大嵐制限化により、状況は改善されています。テラ・フォーミングというフィールドサーチ&圧縮の登場も見逃せません。フィールド復活の下地は整ってきましたが、1〜3の根本的問題までは、完全には解決していないように見えます。

そこで、昨年の夏に「フィールドカードを抜いてスタンダードと互角に戦える水デッキを作る」と壮大な浪漫を宣言して、2ヶ月掛けてたどり着いた結論が、複合コントロール型の水デッキでした。幸い丁度その頃、アクエリア、プリンセス人魚、魔力吸収球体、ニュート、スピアドラゴンと連続してキーカードが登場しました。その他、護封剣が準制限だったこと、丁度枷魔封じの研究が行われていたこと等の好条件に後押しされて、なんとか完成することが出来ました。私の考える近代(新生)水デッキの主な特長は下記の通りです。

1.フィールドカードを使わない。
2.上級、★4アタッカーは水にこだわらず、他属性のトップ級を使用。
3.アクエリアの強制守備(+パーシアス、スピアの貫通系)を活用。
4.魔球のマジック・ブロック能力を最大限活用。(+ドレイン、番兵)
5.プリンセス人魚を最大限場に残し、LPのアドバンテージを取る。
6.護封剣2枚、ハリケーンのブロックを魔球、ドレイン、番兵で維持。

具体的には、モンスター、魔法・罠に分けて、使い方を解説しますが、このデッキの特異性はマジックブロック+護封剣維持を中心としたコントロール性!フィニッシャーとしてのサイコも最大限活かせます。限界はコンビネーションが組めずに、孤立した時の弱さです。これを補う、流れるプレイング!これも別の章で詳しく解説する予定です。


【Q4:使える水モンスターを教えてください】

水デッキの主力となる水モンスターを厳選してご紹介します。評価が不公平にならないように、思い入れは排除して、客観的な解説を心掛けたいと思います。

1.グリズリーマザー(グリズリ) 『水の頭脳』
引っ張りモンスターとしてトマトとネズミは有名でしたが、価値のある1500以下の水モンスターが少なかったため、グリズリーは地味な存在でした。人魚と魔球の登場により一躍脚光を浴びたカードです。水は場に残ってこそ効果を発揮出来るモンスターが多いため、状況に応じて選べる熊母は『水の頭脳』と呼べるでしょう!墓地に行ってからはアクエリア召喚の生贄となり無駄がありません。水デッキなら2枚は入れたい。強制転移とのコンボも強力です!

2.水の精霊アクエリア(アクエリ) 『水の女王』
精霊の中ではタイタンと並び最も使えるモンスターと言われています。このカードの存在が、守備力だけ高く、重心が重かった水デッキに展開力と除去力を持ち込んだのです!魔法、罠で無効化されない強制守備能力は威力があります。スタンダードに通常入るモンスターはサイコも含めて守1500以下が多いため、次のターンに除去可能!羊を攻撃表示にして叩く、死霊に至っては効果対象にしただけで破壊します。パーシアス、スピア等の貫通系とは相性抜群で、相手次第では致命的なダメージを与えます。まさに『水の女王』2枚入れて重くしないためには、自身とキラスネを含めた水モンスターはデッキに最低7枚は必要だと思います。

3.プリンセス人魚(人魚) 『水の心臓』
一般的に★4・1900の次は1400クラスが中心となるので、グリズリ、クリッタで引っ張れる上限の1500はかなり強いです。感覚的には1600〜1800と変わりません。しかも、場に残るだけの単純コストでLP800回復。2枚あれば、1600は期待出来ます。破壊輪、埋葬、枷などのLPコストを払うカードをストレスを感じることなく使えるのもこのカードのお陰と言えます。真価は接戦になった時に実感できます。まさに、『水の心臓』!水デッキなら1、2枚は投入するべきです!

4.魔力吸収球体(魔球) 『水の魂』
水デッキ=マジックブロックと呼ばれるようになった最大の功労者。『水の魂』。護封剣、湿地帯などのバリアを羽根帚、大嵐から守り、逆に敵の攻撃から守られる存在!サイコ、アクエリア、人魚などと並べて使えば、サンダーボルト、ブラックホールによる被害を最小限に止めることが可能です。隠れたメリットとして、心変わり、強奪、転移により奪われる前に自爆出来ることが上げられます。マジックブロック能力はマジック・ドレイン、番兵などとコンボを組めると数段UPします!護封剣制限化により、2枚は重くなりましたが、1枚は入れる価値があります!

5.ナーガ 『水の壁』
このカードの登場により、アクアマドール、島亀などの★4・守2000モンスターの存在意義は全くなくなったと言えるでしょう!水だけでなく全属性を通じて、唯一相手の1400と相殺出来る★4・守2000モンスターと言えば良くわかりますね。また、その効果はファイバーポッド、モンスター回収と相性が良いことで有名。カオスポット対策としても有効です。ナーガ回収を使うなら2枚、それ以外なら1枚入れておくと便利だと思います。

6.ペンギンソルジャー 『水のアイドル』
原作で遊戯が使うため、最も有名な水モンスター。つまり『水のアイドル』です!以前は良く使われたカードですが、最近はあまり見かけなくなりました。水デッキではグリズリーから引いて月の書!とか施しで墓地に落としてアクエリアの生け贄に出来るので、価値は30%増しです!コンボ次第では十分コントロール系の水デッキに入るカードだと思います。魔力の枷発動時に相手モンスターを2体戻せば、再召喚にはLP1000必要。マジック・キャンセラーが場にある時は、ほぼ確実に効果を発動することが出来ます。自身、または他のリバースを戻す能力もコントロールデッキには有利に働くはずですね。

7.ゴラ・タートル(ゴラ) 『水の新アイドル』
水デッキより海デッキで使えそうなカードです。何故なら伝説のフィッシャーマン(攻1850)を守り、攻撃を通すことも出来るからです。ここに入れた理由は、マジックキャンセラー(攻1800)との相性の良さのため。可愛いデザインはまさに『水の新アイドル』を彷彿させますねw 場にあるだけで、1900以上を完全ロックする存在は今後、研究が進めばコントロール系の柱の一つになる可能性を秘めていると思います。

8.キラースネーク(キラスネ) 『水の象徴』

水モンスターとして最も使われるモンスターです。スタンダードを初めとするほとんどのデッキに1枚入っています。施し、サンブレ、ジャマーのコストとして...ハンデス対策に!モン切れの時の壁として、汎用的につかえます。水デッキではその性能は20%増し!つまり、グリズリーからキラスネ・サーチ+次ターンでサイコ、パーシ召喚などで、墓地へ落として繰り返し使えますね。また、イザと言う時はアクエリア召喚の生け贄にも出来ます。この2点だけでも、「水使いで良かった〜」と心から思えることでしょう!まさに『水の象徴』ですね。水デッキなら1枚、忍ばせておきましょうね♪

9.同族感染ウィルス(水ウィルス) 『待望の破壊屋』 (10/4追加)
除去力に劣った水属性待望の破壊カードです。同様効果を持つ「ならず者傭兵部隊」と比較して勝っているのは、@繰り返し効果を発動可能。A悪魔、戦士、アンデッドなどの種族デッキに対しては複数除去可能。B攻撃力1600でそれなりの能力を持つ。かなり強力な除去カードであることがわかります。欠点は手札1枚分のコストですが、水デッキではキラスネを手札に持って来やすいので、問題なし!今後の叩き型水デッキとして水ウィルス×2+アクエリ×2+グリズリ×2+人魚+魔球+キラスネ2のような構成も使われるようになるでしょう!1600×4を活かすためにWW(ウォーター・ワールド)も相性が良く、WW型の復権が期待されますね♪

尚、今回の選から漏れた「伝説のフィッシャーマン」「カタパルトタートル」「海神の巫女」については『明快!海デッキ』でご紹介する予定でいます。性能を100%活かすには、やっぱり伝説の都が必要ですからねwお好きな方はお楽しみに〜


【Q5:相性の良い他属性モンスターを教えてください】

何度もお話したように、水の上級と★4アタッカーには魅力的人材がいないので、前章でご紹介した水モンスター効果で最大限サポートして、実際のアタッカーは他属性のトップクラスに任せた方が良いと思います。コントロール・デッキと相性が良いのは当然、コントロール能力の高いモンスターだと考えております。

1.人造人間サイコショッカー(サイコ) 『救世主』
水デッキでは他デッキ以上重要な役割を果たします。耐攻撃、耐魔法に優れた水デッキにおける唯一のトラップブロッカー!トリプル・サイクロンを入れるスペースはないし、大嵐を省略してハリケーンを使う機会も多いので、確実な罠ストッパーが必要です。第二に攻撃力の高さ...水デッキは平均攻撃力が低く、ゴブリン突撃部隊も入れることが少ないため、2000超級の唯一の存在と言えます。魔法に弱い欠点は魔球、ドレインなどと並べて使うことで解消されますし、その能力を100%発揮出来るはずです。ウィッチのサーチとリビングは80%サイコの為に使う心掛けをしています。

2.マジック・キャンセラー(MC) 『超新星』
最初にこのカードを見た手に取った瞬間、体に電気が走るのを感じました。そう!マジック・ブロック性能が高く、モンスター効果による守備力も高い水デッキとは確実に相性が良いはずです!MCが場に居ない時の、相手強力魔法は魔球が肩代わりして、MCを場に出してからはアクエリアの強制守備。ゴラの1900以上ロックにより守り抜きます。梶木が持っていたことで、水デッキとは関係が深い鎖付きブーメランとも相性が良いと思います。攻2300は微妙ですが、アクエリア2枚とブーメラン2枚の強制守備力で補えば、相手の2300超級(ハ・デス、サイコ、ゴブリン)は翻弄出来るはずです。今後の研究が大いに期待されるルーキーと言えるでしょう!

3.冥界の魔王ハ・デス(ハ・デス) 『破壊屋』
サイコを上回る2450の攻撃力は、通常良く使われるモンスターでは最強クラスと言えます。相手のトマト、ウィッチ、クリッターなどの引っ張りやウザいリバースを完封出来る能力は凶悪ですね。サーチ不能と蘇生不能はプレイングで補い、例えばファイポと組み合わせれば何回も使い回し可能。逆に蘇生不能が相手の死者蘇生で奪われるのを防ぐ効果につながり、相手の戦略を微妙に狭くしているのです。精神(マインド)コントロール!w

4.天空騎士パーシアス(パーシ) 『新アクエリアの恋人』
水デッキはコンボが中心となり、アクエリア(特殊召喚)も存在することから手札切れに陥りやすい欠点がありました。ドレイン、番兵を使うと更に手札枯渇が促進されます。ですから、稀有のドロー能力は大変貴重な存在。しかも、アクエリアでの強制守備と抜群に相性が良い貫通モンスター!そのルックスと合わせて、アクエリアは新しい恋人に一目惚れ(違 攻1900とやや非力な欠点は水の堅さが補い、美しい補完関係にあるカードだと思います。

5.スピア・ドラゴン(スピア) 『アクエリアの永遠の恋人?』
初代のWBから2代目に進化する時期に登場した、まさに「ウォーター・ルネッサンス」の引き金になったカードです。長いこと水使いが望んだ★4・1900...アクエリアとの「スピアク・コンボ(私が命名w」こそ、水の攻撃パターンの中心となったのです!つまり、アクエリアで相手のサイコ、ヴォルスなどを強制守備にして、次のターン、スピアで刺す!相手がスケープトークン、ゴブリンの場合、1900ダメージがそのまま通ります。流行の死霊に強いことも特筆されます。スピアの最大の欠点である、攻撃後の隙は護封剣、湿地帯、アクエリアなどでかなりカバー出来ます。これほど水と相性の良い他属性の★4はないと思いますよ!

6.ニュート 『精神波動攻撃の柱』
通常は攻1900として使いますが、堅い水デッキでは、一時的なロック状態(例:護封剣+魔球)になる瞬間にリバース(2400)の浪漫が広がります。また、異次元の戦士、ならずものを入れない水の弱点...強い上級にモンスターだけでは歯が立たない点を、ニュートの攻守500ダウン効果により、アクエリアの手の届く範囲にまで落とせます。持論ですが、守備の堅いコントロールデッキと対戦時に召喚される相手のニュートには理屈ではない、潜在的恐怖を呼び起こす何かが漂っています。裏守備があるのに、除去出来ない時、「まさかニュートでは?」と思わせるだけで、プレッシャーを与えます。これが「精神波動攻撃」と呼ぶ、心理戦を制する存在なのです!

7.魂を削る死霊(死霊) 『新たなる壁』
このカードはモンスターによる破壊を受けないので、攻撃さえ望まなければマジック・ブロックにより場に存在し続けます。つまり、堅い壁となるのです。水デッキとの相性の良いポイントは、このカードが相手に死者蘇生されても、スピアで刺したり、アクエリアの効果で破壊出来るので全く怖くないこと...つまり「自分だけが美味しい思いが出来る」お得なカードと言えます。

8.ファイバーポッド(ファイポ) 『切り札(ジョーカー)』
コンボ・デッキは手札(運)に左右されることが多いので、事故った際にリセット出来るファイポは最上級のコントロール・カードだと思います。水モンスターとナーガと相性が良いのも重要なポイントですね。人魚、枷により、じわじわとLP差をつける戦略(枷魔封じ)でのリセットはかなりの精神的ダメージを与えることが出来ます。


【Q6:相性の良い魔法と罠を教えてください】


水デッキは確かに個性的ですが、多くのデッキと同様に基本カードが中心となっています。魔法ではサンボル/ブラホ/羽根帚/サイク2/使徒/心変/強奪/蘇生/埋葬/壺/施し2の13枚、罠では破壊輪/リビング/勅命の3枚は普通に入ると思います。もちろん、コンセプト次第では抜けるカードもありますが...さて、ここでは水デッキと相性が良い準基本カードとマイナー・カードを中心に解説して行きたいと思います。

1.光の護封剣(護封剣) 『水の守り神』
ウォーター・ルネッサンスを実現させた、水デッキにとって神のような存在です。フィールド・カードを抜くと水モンスターは非力で、コンボを発動前に殴り倒されることが多いのですが、護封剣を入れることによって安定しました。魔球を場に出せれば、相手除去魔法から守ることが出来ますし、水デッキで良く使われるハリケーンで何度も継続させることが可能です。もう一つの効果、裏守備反転もかなり重要です。メインF1で発動することによって、リスクを最小限に抑え、バトルFを有効活用出来ます。5月に制限になりましたが、水デッキに入れたいカードであることは間違いないところでしょう!

2.怨霊の湿地帯(湿地帯) 『泥沼の恐怖』
カード・イメージが水デッキと合っているだけでなく、実際の効果も相性抜群です。相手が召喚したターンの攻撃さえやり過ごせれば、次のターンまでにアクエリア、ペンソル、ゼノなどで料理出来る可能性が広がります。攻撃後のスピアを守れるのも特筆できると思います。ハリケーンを複数投入することによって、自分のターンでも自爆(つまり召喚ターンに攻撃できない)を避けることも可能!護封剣が制限となった現在、第二のバリアとして、検討する価値はあると思います。

3.月の書(月) 『汎用守護者』
このカードを初めて見た時の印象は衝撃的でした。私の大好きな「海に映る月」のシーンが鮮明に脳裏に浮かんだほどです。冷静に分析してみても、1.相手強力モンスター(特にサイコ)の強制守備(アクエリアのサポート) 2.自分のリバース再利用(ペンソル、ゼノ、ファイポなど)と相性が良いと思います。せっかく投入するからには、マジックブロックに続く第二のコンセプト「裏守備戦に強い水デッキ」を進めたいところです。具体的には墓穴、使徒、停戦の投入です。相手のリバースを許さずに、こちらは最大活用!相手から抹殺される危険性はマジックブロック力の高さで緩和されますからねw

4.ハリケーン(ハリケ) 『自爆回避』
護封剣、埋葬等の再利用カードが制限化されたことで、スタンダードにも入っていた時代もあるこのカードは完全にコントロールカードの位置付けになりました。大嵐制限となった今、場にある全ての魔法、罠に効果が及ぶのはアドバンテージ上望ましいですし、何よりも枷、芳香、湿地帯などのロックカードの自爆を避けて、こちらだけが自由自在にプレイ出来るメリットが大きいと言えます。このカードと相性の良いメタモルポット、強引な番兵とのコンボも強力です!

5.魔力の枷(枷) 『LPコントロールの柱』
プリンセス人魚というLP回復のスペシャリストを要する水デッキのプレイングで重要なのは、LP差(アドバンテージ)を広げる戦略だと思います。しかも、広い意味で守備力が高い水デッキでは、相手のプレイの遅延化を可能とします。そこで、相手のプレイそのものに枷(−500)を付けることによって、有利に進めることが可能となります。遅延化のために芳香、湿地帯、ペンソルを投入して、自爆を避けるためにハリケーンを投入するのです。水との相性は抜群ですねw

6.強引な番兵(番兵) 『戦略看破&キラーカード落とし』
水デッキの弱点は、コンビネーションを分断されて、個別に撃破された時の無力さにあると思います。そこで、クローズアップされるのが、相手の手札を看破して最も効率的な戦術を考えて、相手のキラーカード(サイコ、サンボル、勅命級)をデッキに戻すことによって、有利に決闘を進めることです。スタン、ハンデスの二強時代から、強力なデッキのバリエーションが急増した現状では、十分基本カードと呼べる存在ですね。

7.ミラーフォース(ミラフォ) 『精神波動攻撃罠』
水デッキの弱点のひとつである、モンスター除去力の低さ。それは異次元の戦士、ならずものなどの単発的な除去カードを使わずに、場に残せれば永続的に効果を発動できるカード群によって除去を狙うためです。これが、水デッキの粘りに繋がっているのですが、同時に相手の場にもモンスターを残しやすいという欠点も引き起こします。相手の総攻撃に対応するために、複数除去が可能なミラフォを投入!マジックブロックの高い水デッキでは除去され難く、発動率は他デッキの30%増しくらいの感覚。「罠を見たらミラフォと思え」くらいのプレッシャーを与えるために、必ずデッキに投入させて相手に印象付けたい所。次からは攻撃の意欲が減退...これが精神波動攻撃罠と言われる由縁です。

8.マジック・ドレイン(ドレイン) 『MBの要』
安定感のないマジック・ブロック力が嫌われ、あまり見られなくなったこのカードも水デッキでは十分使えます。それは、魔球2、番兵とのコンビネーションによってマジックブロック力が安定するからです。勅命と魔球で確実に強力魔法を止め、相手手札の魔法を枯らしてから使えば、まさに「ノーコストのマジック・ブロック」。ジャマーを使われると、諦めがつくので精神的ダメージは残りませんが、ドレインで究極の選択を強制することで、心理的な消耗を誘う...精神波動攻撃カードとしても極めて優秀だと思います。

9.魔封じの芳香(芳香) 『MBの切り札』
魔力の枷との相性の良さは有名でひとつのデッキ・コンセプトになっているほどですが、魔球の存在で補うことによって更に芳香の潜在能力を引き出せます。つまり、芳香の弱点である速攻魔法サイクロンによる無効化を魔球で止めるプレイング...一度発動出来れば、マジックブロックの切り札的存在です。自爆を避けるために投入するハリケーンと相性の良い魔法、罠が多く、魔球の存在する水デッキがもっとも枷魔封じの能力を活かせる属性デッキと言えると実感しています。


【Q7:プレイングで注意することはありますか?】

水デッキはその名の通り、流れるようなプレイングが命です。柔軟に相手プレイに対応しながら、じわじわと自分のペースに持ってくる、余裕あるプレイングが合っている感じです。その為には、常に精神的プレッシャーを与える、言い換えると相手の計算を狂わすカードを中心にデッキ構築を考えるべきです。

例えば攻撃、守備力で劣ってもシーザリオン<アクエリア、魔球の構図ですね♪コンボが中心となると、どうしても手札切れが起こりやすくなるので、一発屋より継続系を重視。例えば異次元、ならず、地割れ<スピア、アクエリア、湿地帯。つまり、水デッキは相手コントロール(支配)を継続することを念頭に置いてプレイするべきだと思います。

難解な表現が続いたので、簡潔に水デッキの特長と弱点をまとめてみます。

『水デッキの特長』

1.守備力、特に攻撃に対する壁性能とマジックブロック(MB)力が高い!
壁性能:アクエリア、ペンソル、ゴラ、ナーガ、護封剣、湿地帯、月...
MB:マジ☆キャン、魔球、勅命、ドレイン、番兵、芳香...

2.コントロール性能が高く粘り強い水モンスターが集まっている。
例:アクエリ、人魚、魔球、ナーガ、ペンソル、ゴラ、ゼノ、キラスネ...

3.コンボが豊富で、あらゆる局面を打開出来る。
例:護封剣+魔球+人魚、パーシ+スピア+アクエリ、サイコ+魔球
  枷+魔封じ+ペンソル+ハリケ、サイコ+魔球、魔球+ミラフォ、
  人魚+枷、ナーガ+ファイポ...

4.裏守備戦に強いカードが多い。
例:ペンソル、ゼラ、護封剣、墓穴、月、使徒、停戦...

『水デッキの弱点』  「→」の先は対策です。

1.コンビネーションの流れが止まった時の、単体での弱さ
→相手の計算を狂わす、コンボを組みやすいカードを投入する
 決闘中、常にイマジネーション(想像力)を働かせる。

2.モンスター除去力、特に一発屋が少ない
→コンボによる永続した除去を意識する。ミラフォの活用!

3.独特のプレイングには慣れが必要
→今すぐ、特選の水デッキを使って試してみましょう!!
 最初はある程度、完成したデッキで慣れると良いと思います。

結論:ウォーターマスターを目指す方は、『習うより慣れろ!』です。実戦の中で、独特のためのあるプレイング、先読みするプレイング、及び実戦的コンボを発見してくださいね♪


【Q8:水デッキの進化の方向性は?】

今までの話を簡単にまとめると、水デッキ=コントロール・デッキ=精神波動攻撃という数式が成り立ちます。最後の精神波動攻撃こそ、水デッキの進化の方向性を示していると言えると思います。つまり、流れるプレイングでどんな状況になっても明鏡止水の心...何事にも動じない強い精神力を宿して、相手の自滅を待つ。これが水デッキの未来に待つ、永遠の浪漫なのです。

抽象的な言葉はわかり難いので、具体的に話します。コナミ的に水は依然、主流から外れています。今後もシリーズごとに1、2枚しか登場しないかもしれません。しかし、水モンスターが1枚も出なかった「闇を制するもの」は問題外として、ここ4シリーズで登場した水モンスターを並べてみると ナーガ、海神の巫女、ゼノ、ゴラ・タートル、黄泉へ渡る船、弾圧される民、...攻撃力はミニですが、見るからに「ウザい」効果を持っていることに気がつかれると思います。そして、ナーガ=モンスター回収、ファイポ 海神の巫女=伝説のフィッシャーマン、ゴラ・タートル=マジックキャンセラー、伝説のフィッシャーマン、ゼノ=護封剣、湿地帯、魔封じの芳香、マジックキャンセラー と見事にコントロール系カード同士のコンボが揃っているではありませんか!

ウォーター・ルネッサンスはある意味、水デッキ=弱い、フィールドカード=ダサいの構図に風穴を空けたと言えるでしょう。しかし、未発掘コントロールカードの連係によって、まだ見ぬ未知の凶悪コンボが眠っているかもしれません!水デッキには進化の余地が十分残されているのです。それを、見出すのは...これをお読みの皆様かもしれませんねw 斬新な水デッキを開発した方は、ぜひ、海部屋の鑑賞室に紹介してください。一緒に水を論じ合いましょう!お待ちしておりますので♪それでは!また〜