初心者の心得


【はじめに】

誰でも最初は初心者ですが、当たり前すぎて意外と忘れがちですね。初心者を馬鹿にする、無視する、偉そうにする上級者はこの頃の気持ちを、思い出してみるべきです!私も遊戯王を始めた頃は、右も左もわからずにウロウロしていました。半年間掛けて、少しずつカードは集まりましたが、我流で組んだデッキで漫然とプレイしていたせいか、上達しませんでした。知識と技術が身に付いてきたのを実感したのは、遊戯王ネットの世界に入ってからでした。

遊戯王ネット界の第一印象は「最新情報が豊富で、親切丁寧な上級者の方々から、最も適切なアドバイスをいただける」まさに夢の世界でした。様々なHPはそれぞれ得意分野を持ち、毎日巡回して、見ているだけで楽しいです♪まして、マネしてデッキを組んでみる。実戦で試してみる。日々、新しい発見との出会いでした。この時期のワクワクする気持ちは今でも忘れられません!初心者時代こそが、一番楽しい時期なのかもしれません。ですから、マイナス思考で過ごしてはもったいない!この喜びこそが、長く遊戯王と付き合っていく原動力だと思うからです。強くなるほど、壁は高くなります。高い壁を越えるために、悩み苦しむ時期は誰にでも訪れます。始めたばかりの時期は、焦らずに、楽しみながら過ごすのが一番です! まずは、ご自分に合ったHP、つまり、無理せずに楽しめる、居心地の良い場所を見つけることから始めましょう!

初心者の特権は白紙の状態から始められることです。上級者は知識、技術の吸収は速いですが、一度身に付いたものを変えるのは逆に難しいことがあります。特定のカードへの深い思い入れやプライドが邪魔するからだと思います。そこで提案です。初心者の方は中途半端な知識、技術は一旦捨てましょう!上級者の方も溜め込んだ知識、技術、経験を一旦リセットしてから、当心得に臨んでみてはいかがでしょうか?筆者の私自身も、始めた頃を振り返り、初心者の視点で「上達への早道」を語って行きたいと思います。


【目的意識を持つ - 浪漫 -】


いくら好きでも、漠然と遊戯王に向き合っていては上達出来ません。上達のために最も大切なのは、常に目的意識(目標)を持つことです。

目標には2段階あります。身近な目標:例えば「強い友人に勝つ」「店大会で優勝する」「新コンセプトを考える」これは比較的短期間で達成できるメリットがあります。ただし、達成すると誰でも気が緩むものです。満足がこれ以上の進歩を止めてしまう恐れがあります。

そこで次に出てくるのが、遠大な目標:例えば「ネット上で最強決闘者と呼ばれる」「ACSチャンピオンになる」「新コンセプトをメジャーにまで高め、始祖と呼ばれる」これは、遠大...まさに『浪漫』ですよね♪この二つを使い分けることにより、心のバランスを取りながら常に先に進むための動機付けをして、モチベーションを高める...これが基本にあるかないかで、わずか1ヶ月でも天と地の差が出てくるのです。

もっと楽をしたいですか? 実は、目標に向かって進み、成果が目に見えるようになると、凄く楽しくなるのです。気分は軽い、軽い〜!身近な目標に対しては、わき目も振らず一直線に進み!遠大な目標に向かっては、回り道をしながら、じっくりと風景を楽しみながら歩いて行きましょう!無駄なことは絶対にありません、いつか役に立ちます!

最後に宣伝です!一人よりも二人!二人よりも三人...道連れは多い方が楽しいですよね。疲れた時、悩んだ時はお互いに助け合う!そんな仲間の欲しい方...浪漫を追求し、お互いに助け合う、心の組織『海援隊』に入ってみませんか?隊士一同、お待ちしておりますので♪


【こだわりを捨てる - 自由 -】

自分のスタイル、趣味にこだわるのは大いに結構なことです。皆が同じことを考えて、同じデッキを使うのでは少しも面白くない!オリジナリティは大いに主張するべきだと思います。

ここで言う「こだわり」とは、思い込みのようなものを指しています。例えばデッキ投稿で貴重なアドバイスを貰ったのに、自分の価値観に縛られて、否定してしまうのは、無用なこだわりです。他の方の感性、感覚を吸収することは大切ですよ!デッキ板の価値はここにあると言えるほどですから...まずは、1回は試してみましょう!自分の価値観と外れている程、体験する価値があります。「目からウロコ...」ありますよ! もし、それが自分に合わないとすれば、自分のスタイルを固めるのに役に立ちます。ですから絶対に損はありません!

もう一つ具体的な例を出してみましょう。私が初心者の頃、質問板に初歩的な質問をするのが恥ずかしかったし、デッキ板に未熟なデッキを投稿するのは気後れした経験があります。まして、上級者の方のデッキ診断など、恐れ多くて...今になって言えることは、これは不要な心配(=思い込み)です。自分が初心者と言う事実にこだわり過ぎです。真の上級者は、初心者の方、悩んでいる方に手を差し伸べて上げたい、役に立ちたいと心から思っています。何故か?強い人ほど、高い壁にぶち当たった経験が多く、その度に、他の方の助言、励ましによって乗り越えているからです。どんどん、そんな方々の輪に入って行きましょう!少なくともこのHPは、そんな方々の集合体だと感じております。

最後に特定のHPへのこだわりについて語ります。自分がデビューしたHP、長い期間過ごしたHPには思い入れがあって当然です。けれども、そこに居るだけで苦痛になって来た時、無理して頑張るのは止めましょうよ!自分が常に変わっていくようにHPも変わっていきますし、しょせん遊戯王は趣味ですから、その時に一番楽しめるHPに居れば良いのです。結局、HPよりも「人」ですから、気の合う仲間、目標とする決闘者、自分を頼ってくれる人...限られた時間の中で、こんな方々を大切にするべきです。もちろん楽しいHP、居心地の良いHPは人を呼びますから、皆で協力して、より良いHPにして行きましょうね♪


【過信でない、本当の - 自信 -】

「お前さんの、取り柄(長所)はなんだい?」これは、坂本竜馬が勝海舟から聞かれた有名な質問です。気になる竜馬の回答は「取り柄...なしです」「本当に取り柄なしかい?」海舟は笑顔で応えます。竜馬の凄さを見抜いていたからです。つまり「取り柄は坂本竜馬であること、そのもの!」当たり前過ぎて本人は気付かないのですが、見る人が見ればわかると言うことですね。

本人が自分を多く語らずとも、自然に器の大きさが滲み出てくる...これは素直に格好良いと思います。これに比べると、初心者から中級者への過渡期に、私は多く自分を語り過ぎました(汗 全国の決闘者に存在をアピールしたかったのかもしれません。例えば、「10戦8勝で勝率8割だ!」「この水デッキ強いぞ〜♪」今から思うと、どうでも良いことでした。過信していた自分が恥ずかしいです。たぶん、これをお読みの皆様も、急に実力が付いたことを実感する瞬間があったか、これから訪れると思います。こんな時は、決して過信したり、自分を誇示しないようにしましょう!広い遊戯王ネットの世界には、もっと上はいるはずですし、強くなれば、自分を語らずとも、自然にデッキ、発言にオーラが滲み出てきます。私はさりげなくて、奥が深い決闘者ほど尊敬することにしています。

さて、逆に広い遊戯ネット界で、凄い決闘者と交わる機会を得て、劣等感に襲われることもあるかと思います。今まで考えも付かなかったような、凄いデッキ構成、思わず手を叩きたくなる絶妙なプレイング...私も何度もカルチャーショックを受けた経験があります。こんな時、ファイトを燃やして「よし!俺も!!」と前向きになれる人と、そのまま風船がしぼむように気力が萎えてしまう人では、どちらが自分を進化させられるか明白ですね。ある意味、劣等感(=自分の未熟さ)に気付いた瞬間こそ、自分を進化させるチャンスだと思います。さて、真の上級者ほど謙虚だと語りましたが、実は負けず嫌いの人も相当多いようにも感じます。また、過信している人は少ないが、自分の感性には自信を持たれているようです。遊戯王OCGはゲームとは言え勝負事ですから『勝負魂』を持っている方が上達は早い、というのがこの章の結論です。自信とはちと違うかな?w


【自ら進化する -自発ー】

遊戯王ネットの世界を2年間ずっと眺め続けて来ましたが、今年の春に面白いことに気付きました。HPを親、決闘者本人を子供とすると...「放っておいても、子は育つ(違」正確に言うと、自発的に活動出来る人はどんな環境に居ても自ら進化してしまうのです。

初登場した時からオーラを放っている人、目立たなかったのに、突然脱皮してしまう人。進化のスピードには個人差がありますが、進化の直前には、出口の見えない迷宮に陥っていることが多い気がします。落ち込んだ反動で一気に壁を越えてしまうのでしょうか?確かに同じHPに居る仲間は暖かい声援を送ってくれるし、快い刺激も与えてくれる。しかし...結局、最後に決められるのは「自分」しかいないです。頼れるのは自分の知識、経験から生み出された感性だけと気付いた瞬間が、進化の始まりではないでしょうか?

「HPは自分に何もしてくれない」とか「何が本当かわからない」と感じている方はいらっしゃいませんか?与えられるものに満足している時期から、自ら何かを生み出す時期へ...産みの苦しみでしょうか?わかりやすく言うと、所属しているHP、常連さんに自分を合わせるのではなく、自分の進化に必要な場として利用する。更には、自分から使いやすい環境に変えてしまう...これが自ら進化出来る方々の特長だと思います。

『初心者の心得』は一方的に教えるのではなく、何かを感じていただくつもりで書きました。後は感性に従って進むだけです。ご自分で納得出来れば、それで充分ではないでしょうか?そっと、背中を押してあげることくらいは仲間でも出来ますからねw 他人に迷惑を掛けない範囲なら、自由勝手も全く問題ないと思いますよ!こういう方々のことを密かに「暴走する」って呼んでますw


【のんびり行きましょう! - 適当 -】

ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。「よっしゃ〜!」気合が入りましたか?少なくとも背筋がシャキーンと伸びた方が多いと思いますので、息抜きをしましょう!w

遊戯王はあなたにとって特別な趣味ですか?情熱を傾けるほど、益々楽しくなって来ると思います。しかし、修行僧のようにストイックに修行に励んだり、常に上ばかり向いていると誰でも疲れます。精神的負担が重くなると、徐々に遊戯王への情熱が薄れ、下手すると上達ストッパーになってしまう恐れがあります。そんな時にお薦めの極意が「テキト〜」です!

テキト〜はマナーを守らない、他人に迷惑を掛けるのとは根本的に違います。机に座っている時よりも、トイレや風呂で斬新なアイデアが浮ぶことがありますよね?この状態がテキト〜、難しい言葉で言うと「無我の境地」みたいなw つまり、自由な発想が出来ると、視野が広くなると言うことです。あまり完璧を求めたり、こだわりを持つと、どうしても視野は狭くなりますからね...それに、テキト〜に慣れると常に気分が楽です。まだコンセプトが固まらないうちに、気軽に投稿して、良いアドバイスを貰いましょう!

私は学生時代に草野球のピッチャーでした。何故か気合を入れ過ぎると、力が入ってコントロールが定まらないし、3回か4回くらいでスタミナが切れてしまう。こんな時、心掛けていたのが「パワー80%」の投球でした。もちろん、一球一球は大切にしていますし、バッターにも集中していたつもりです。でも、心と体は常にリラックス...こんな状態が一番力が出せて、継続出来ると実感。これを「テキト〜」の境地と呼んでます。リラックスしましょうね♪


【おわりに】

旧三部作「精神波動攻撃理論」「ファンデッキ理論」「ネーミング理論」に続く、新三部作最初のコラムとして「初心者の心得」を書きました。「デッキ診断者の心得」もそうだったように、シリーズ作品の最初は「心構え」から入ることにしています。

遊戯王OCGは、ある意味勝負事なので、武道の三本柱「心」「体」「技」をバランス良く習得出来ることが重要です。中でも初心者にとって最も大切なのは「心」だと思います。「体」「技」はデッキ構築や他の決闘者との実戦、会話で磨かれていきますが、「心」を解説したコラム、心得は少ないような気がしていました。私自身まだ未熟な決闘者ですが、常に問題意識を持って、感性を磨いてきた自負だけはあります。そこで、上達に有効だと感じた5項目を、私なりの言葉で語ってまいりました。

各章には意識的に漢字二文字のキーワードを付けました。この単語5個だけでも心の片隅に置いていただければ幸いです。「浪漫」「自由」「自信」「自発」「適当」です!遊戯王は趣味ですから、気軽に楽しめばそれで充分だと思います。でも、勝負の醍醐味を味わえるのですから、上を目指さないともったいないですよ。仲間と一緒に、気軽に、楽しみながら上達出来たら、言うことありませんよね?よろしければ、ここのHPの仲間になっていただけませんか?管理人と常連様一同、心待ちにしておりますので♪それでは!また〜