精神波動攻撃理論1


【はじめに】
当理論は、人生の師である小学生時代の剣道師範から授かったものをベースとしています。師匠は今年の2月に敬愛する竜馬の元に旅立たれました。ここにご冥福をお祈りし、その功績を称えたいと思います。師匠の教えは我々弟子が引き継いでまいります。さて、全日本剣道大会で準優勝経験を持つ「鬼」と呼ばれた達人の教えは、今も私の中に生きています。元々勝負事は好きで、麻雀、将棋、オセロ、ポーカー、モノポリー...何でもやります。もちろん専門家の経験と技には勝てませんが、同じ実力または少し上の相手なら負ける気がしないです。この負ける気がしないというのも当理論の重要なポイントなので、後ほど詳しく説明します。話を戻しますが、師匠の尊敬する剣豪・坂本竜馬はどれほど強い刺客でも、後姿が大きすぎて斬れなかったそうです。その極意は、いつ頭の上から岩が落ちてきて死んだとしても、後悔しない人生を送る覚悟が出来ていたからだと言われています。彼の波瀾万丈の人生は、抜群の「精神波動」の持ち主だったことを示していると思います。坂本竜馬の思想を汲むこの理論は、もしかしたら遊戯王だけでなく、人生においても応用出来るありがたい教えかもしれませんね。

【準備編】
最初は基本的なことから説明します、当然のことですが、怠ると先に進めません。


1.道具を選び、大切にする。
例えば、竹刀は自分に合ったものを選ぶ必要があります。軽くて短いと素早いさばきが可能となりますが、相手には届きません。逆に重くて長い竹刀は威力があり、つばぜり合いで有利ですが扱い難い。使う人の身長、体重、スタイルに合わせて竹刀の長さ、太さ、重量は千差万別なのです。遊戯王で言うと、自分の実力とプレイスタイルに合ったデッキを選ぶということです。上級者のレシピは強いかもしれませんが、扱えなければ意味がありません。我々弟子は毎週、竹刀を分解して竹の1本づつを表は布で光沢が出るまで磨き、裏のささくれはヤスリで丁寧に取るように指導されました。表面上の意味は折れにくく、しなりを持った竹刀を作りこむこと、隠された意味は、道具に愛情を込めて、自分の体の一部になるようにすることだと思います。皆さんも、ご自分のデッキに磨きを掛けましょう!自分に合うデッキは精神的な余裕を生み、それが過信ではない本当の自信につながると思います。ですから、強いカードが登場したからと言って一度納得した主力デッキを頻繁に構成変更するのはどうかな?という気がします。少なくとも次のシリーズが出るまでの2ヶ月くらいは、同じデッキを使い込んではどうでしょうか?もちろん2軍以下のファンデッキは大いに変更して楽しむべきですね。「ファンデッキ理論」で極意を語ります!

2.基本は繰り返し、体で覚える
剣道歴1ヶ月の初心者も、3年以上のベテランでも稽古は、同じく素振りとすり足から始まります。いざという時に、体で覚えた技がものを言い、基本の組合せが応用につながるということです。新デッキを考えていると、スタンダード・デッキや基本コンボを軽視しがちになりますが、繰り返し体で覚えたいものです。勝負の世界では「相手を知ることから始まる」と言います。スタンダードは多くのデュエリストが使っているだけの奥深さを秘めたデッキです。時々使うようにすると、とても勉強になるはずです。さて、インターネットから遊戯王を始めた経験の浅い方々にアドバイスさせていただきます。上級者のレシピ、コンボに憧れて背伸びしたくなることがあるはずです。けれども、上級コンボは基本コンボの上に存在するものです。また、机上の理論は理解したつもりでも、役に立たないことが多いです。実戦経験の中で足場を固めていくことが、上達に直結すると考えています。他人に頼りすぎると、いつまでも判断力、感覚が身につかない!焦ることはありません。苦労しながら、ゆっくりと前に進みましょう。ネット仲間は暖かく見守ってくれるし、困った時は絶対に助けてくれるはず。あなたは、もう一人ではないのですから...

【戦略編】
次に戦略、デュエルに臨む姿勢について語ります。当理論の核心と言える重要な部分です。何かを感じて欲しいと思います。

3.自分の息を整え、相手の息を読め
これは勝負事では重要です。剣道では間合いを取る際は、一気に息を吸い込み、口から少しずつ長い時間を掛けて吐いて行きます。吐いている間は力がみなぎり隙が出来ないからと言われています。言いかえると、リラックスした状態(=自然体)の時に最大限の力が発揮出来るということです。太極拳をイメージすれば解りやすいと思います。攻撃する直前に、弓を引き絞るように息を大きく吸い込んで、一気に「面!」と爆発させます。竹刀で打つのでなく、気を溜めて、体ごとぶつかっていくといっても良いでしょう。相手が息を吸っている時は、これを防ぐのが難しいと言われます。逆に、こちらが攻撃に移る瞬間は隙が出来るので、カウンターを狙われやすい。剣道でも余程の実力差があるか、余程油断しない限り、単発技で勝負が決まることは少ないようです。連続技(コンボ)で打って打つ、受けて打つ、払って打つ...この瞬間の攻防が全てと言っても過言ではないでしょう。師匠からは「自分の息を整えて、相手の息を読め!」と教えられました。含蓄深い名言ですね。これを遊戯王に置き換えて説明するのはとても難しいことなので、何となくイメージをつかんでいただければ良いと思います。

4.静かな闘志を秘めた眼力で威圧し、目で殺せ
経験から考えて、視線、その中の眼力は非常に大切です。ピンチになった時に目を伏せたり、落ち着きがなくなったり、相手がプレイする直前に、自分の伏せ罠に目が行くようでは手の内をさらけ出すようなものです。逆に慣れれば、相手の眼から手札、状況を読むことも可能です。自分のターンでは、静かな眼で「そこはかとなく」手札、場の全体を眺め、意識は天井に置いて、もう一人の自分として見渡す。相手のターンでは、静かな闘志を秘めた眼力で威圧する。つまり「眼で殺す」ことが第2のポイントです。剣道では常に眼力を込めて相手の眼を見据えて、全身の瞬時の動きは体で感じるようにするのが大切です。師匠相手の真剣勝負では、眼力とオーラに圧倒され、足がすくんで動けなかった。攻撃の際に攻撃対象の面、胴を見たり、守備の際に相手の竹刀に視線が行くようでは何時までも強くなれないと言われました。師匠が好んだ稽古にこんな変わったものがありました。真ん中の一人を四人で輪になって囲み、外の四人は誰から攻めても良く、ポイントを取った人が中に入るというものです。つまり、真ん中の人は、どこから竹刀が飛んでくるか全く解らない。常に精神を研ぎ澄ましていないと、瞬時にポイントを撮られてしまう。だから、外の四人の正面を素早く切替えて、眼力で牽制しながら、意識は全方向に向ける必要がある。わずかな隙、ミスは絶対に許されない状況での身の措き方を徹底的に叩き込まれまれたものです。当時は師匠の真意を理解出来なかったですが、今から思い返すと勝負師の基本とも言うべき大切なものを学んだような気がします。えっ遊戯王との関係ですか?勝負に挑むものの心得として、全く無関係とは言えないと思います。本当の勝負とは厳しいものですから...

5.常にイメージを働かせ、先を読め
前に述べた「自然体」に加えて、非常に大切なのは「先を読む力」です。手札に強いカードを引いた時に、すぐに手が動いてしまう。逆に相手の伏せ罠に怯えて、強気のプレイが出来ない。こんな心構えでは、精神波動攻撃は使えません。まずは、「一息」入れて、リラックス(=自然体)しながら現状を分析し、次の一手をプレイした際のシミュレーションしてみましょう。つまり、計算通りに行った時の成果、逆に最悪と思える状況(ミラフォ、勅命などのカウンター)を想像するのです。リスクを上回る成果(=勝利に直結)を期待出来る時は「余裕と自信」を持ってプレイするべきです。ただし、過信は禁物。失敗した時のダメージが大きすぎて立ち直れなくなります。逆に、リスクが成果を上回る(=敗北に直結)場合は、勇気ある撤退が必要です。決してパスするのではありません。現状で考えられる限り、守備を固めて次に備えましょう。坂本竜馬の後姿の伝説にもありますが、心の備えがある人は、どんな状況に陥っても決して慌てることはありません。最悪の事態を楽しめる境地に達した時、最強の精神波動攻撃使いと呼ばれるようになるかもしれません。そして、余裕と自信が相手に強いプレッシャーとなって襲い掛かり、ミスそして自滅に導くのです。私ですか?まだまだ未熟です。修行には終りがないのです。一緒に修行に励みましょう。

【戦術編】
心構えが出来ました。次に具体的な精神波動攻撃の戦術について説明してきましょう。ここに書かれていることは、氷山の一角です。まだまだ、この世界は奥が深いと思います。どうか、ご自分のオリジナル戦術を生み出してください。

6.相手の弱点を突け(嫌がられる戦術)
古来、孫子の兵法書などに書かれているように、相手の弱点を突くことは遊戯王だけでなく、勝負事の基本中の基本です。この世に「最強のデッキ」と言うものが存在しないように、どれほど強いデッキでも必ず弱点はあります。スタンダードが強いと言われるのは強いカードで構成されており、弱点が少ない。逆にどんなデッキに対しても弱点を突けるカードが多く含まれているからです。具体的なカード名で言うと、サイコショッカー/サンダーボルト/ブラックホール/ハーピィの羽根帚/大嵐/サイクロン/破壊輪/ミラーフォース/和睦の使者/王宮の勅命などの除去系、禁止系。特に複数対象のものがキーカードになると思います。使うタイミングや相手のキーカードに対する防御には、特に細心の注意を払う必要があります。カードゲームは手札からプレイする前提があるので、基本的に全てのデッキはハンデス(手札破壊)には弱いと言えます。スタンダードが場に出てから対処するのに対して、ハンデスは元から断つ。決まれば確実性の高い戦術です。多少、攻守の能力を犠牲にしており、高いプレイング能力が要求されます。大会の上位入賞者に、完成度の高いトマト・ハンデス使いが多いのも納得できます。精神波動攻撃使いのデッキには、ハンデス要素を取り入れることをお薦めしたいです。いたずら好きな双子悪魔/強引な番兵/マジック・ドレインなどが有名ですね。個人的には相手手札を見て、戦略を立てやすい番兵+ドレインの組合せが使えると思います。相手に強いプレッシャーを与えられるからです。次の章ではプレッシャーを与える戦術を説明していきます。

7.強いプレッシャーを掛けろ(精神波動攻撃の極意)
基本的に精神波動攻撃は相手のミス、自滅を誘う戦法ですから、そのような状況に陥らせる状況を作り出せば良いのです。簡単に言うと、プレッシャーを掛けて、心理的動揺を誘うということです。このタイプはコントロール系カードが多いのが特徴です。つまりサイコショッカー/ペンギンソルジャー/ファーバーポット/カオスポッド/光の護封剣/心変わり/強奪/強制転移/死者蘇生/ハリケーン/強引な番兵/魔力の枷/リビングデッドの呼び声/マジック・ドレイン/魔封じの芳香..他にもたくさんありそうです。また、強さ以上に嫌なイメージを持たれるカード、例えば登場したばかりのカードは過大評価されがちです。例えば登場直後のハ・デス、ニュートなどは1枚デッキに入っているだけでプレッシャーを掛ける存在でした。相手の計算を狂わすという意味でプリンセス人魚、非常食などの回復系、抹殺の使徒、異次元の戦士などの除外系、魔力吸収球体、翻弄するエルフの剣士などの特殊技能カードを入れておくのも良いと思います。これらがコンボを組めると、効果は数倍になるでしょう。例えば護封剣+魔球+人魚、翻弄+コマンドナイト、魔封じ+枷+ハリケ+ペンソルなどです。相手から極悪とか、ウザイとか、嫌だと思わせることが、プレッシャーを掛ける第一歩と結論付けて、この章を終わらせたいと思います。

8.相手の意表を突け(タイミングよく、一撃必殺!)
相手の意表を突くカード、これは普通は使われないトラップ・カードが多いのが特徴です。相手が全く想定していないと言う事は、決まれば戦況を一気に自分に呼び込むことが出来るということです。使われない=単体では使えない=コンボが必要、という数式が成り立つ、使い手にとっても諸刃の剣と言えるカードかもしれません。カード、コンボに対する深い知識とプレイング能力が要求されるので、上級者向けと言えるでしょう。例えば精霊の鏡/イタクァの暴風/迎撃準備/魔封じの芳香/強制接収 魔法では月の書/太陽の書/蜃気楼/右盾左剣 モンスターではスフィンクス/ゼノ/お注射天使リリー/デビルフランケン などがこのタイプに属するのではないでしょうか?使うタイミング次第では「切札」と成り得ることに注目してください!意表を突くプレイングと言うのもあります。例えば私は序盤に「魔球攻撃表示+伏せ罠作戦」を取ることがあります。罠が運良くミラフォ、破壊輪だったら単なるセオリーですが、私の場合、ドレイン、サイクでも全く構いません。強い相手ほど頭を悩ませて、様子を見ることが多いようです。仮に攻撃に踏み切ったとしても、サンボル/心変/強奪/蘇生などの攻撃準備魔法を阻止出来るので損害を最小限に抑えられますし、直後に人魚などで回復してしまえば、残るのは...そう相手の心の傷だけです...次の精神波動攻撃には耐えられないでしょう。これらは、いずれ「精神波動攻撃コンボ集」にまとめるつもりです。

9.自分を大きく見せろ(坂本先生の極意)
自分を大きく見せる。これは精神波動攻撃の最終目標です。超上級者と言われる方々、各大会の優勝者などは、戦う前から相手を萎縮させる「肩書き」と言う精神波動手段を手に入れていると言えるでしょう。肩書きはとりあえず置いといて、これを読んだ方々は使い込んで、実戦で磨き込んだ愛情を込めたデッキを使い、自信と余裕を持ち、自然体で考え、静かな眼で圧倒する。そして、タイミング良く精神波動攻撃を浴びせる...この積み重ねが自分を大きく見せることにつながりると思います。イメージ戦略も大切です。坂本竜馬で言う「海援隊」の存在。例えば「こいつはXX使いだ!」「こんな必殺コンボを持っている」「何をしてくるか全く解らない」と相手に恐怖感を植え付ければしめたものです。仮に負けたとしても、自分のオリジナリティを強調して印象付ければ、次回対戦では必要以上に警戒してくるはずなので、精神波動攻撃が掛けやすくなるでしょう。坂本竜馬の後姿...これを目標として一緒に修行に励もうではありませんか!

【おわりに】
武蔵・小次郎の決闘(デュエル)とは違い、所詮カードゲームですから負けても命を落とすことはありません。ゲームは楽しむだけで良いという考えも否定しません。しかし、時には全力を出し切って、真剣に決闘(デュエル)するのも悪くないと思います。ヂュエル終了後の清々しいこと...負けても決して相手に逆恨みしない。純粋に健闘を称え合い、共に学んだことを心から「良かったなあ...」と前向きに考えてみましょう!自然に力がついて、徐々に大きな存在となって行くでしょう。実は、精神波動攻撃も、ほんの一部分なのかもしれません。もっと大きなもの、例えばプレイングに対する姿勢、そして人生への向き合い方、その人からにじみ出て来るオーラ、こんな所に本質的なものがあるような気がします。少なくともこれを読んだ皆様は、違う次元で強くなったような気がすると思います。心構えは出来ました!後は修行あるのみですね。ここのサイトは小さいですが、修行の場として必要最小限のコンテンツを用意しています。また、姉妹サイトには「水デッキ構築HP」のような強豪決闘者の集まるところもあります。ひとりよりも二人、二人よりも三人...仲間が集まれば、より楽しく上達できると思います。これを読んだ皆様もぜひ、一緒に修行に励みましょう!それでは!また〜