デッキ鑑賞者の心得2


【はじめに】
デッキ診断には絶対的な診断基準、正解はありません。新カードの登場によって診断基準(バランス)は常に変動し続けていますし、10人の診断士が居れば10通りの回答があるからこそ「心のキャッチボール」が楽しめる訳です。自分が正しいというある程度の自信は必要ですが、押し付け過ぎるのは失礼かもしれません。誰にでも苦手なカード、持ってないカードはあるし、実は診断者の上を行く発想があるかもしれません。少なくとも、投稿者がデッキ構築やプレイに費やした時間は診断者よりも多いはず。つまり、その時点での正解=改造内容は投稿者自身が決めることなのです。診断士のさりげない一言が投稿者のデッキ、発想を進化させるきっかけになれば、充分ではないでしょうか?説得力のある診断、鋭い診断はある意味、核心を突いており、投稿者の心に響くものです。今回は「投稿者の心に響く診断」にスポットライトを当ててみようと思います。この理論内のさりげない一言が、あなたの新しい診断スタイルを生み出すきっかけになれば幸いです。新しい診断スタイルを作り上げるのはあなた自身です!実際の診断を通して、あなたが感じるもの...当理論よりもこちらを大切にして欲しいと願っております。

【最初の診断を心掛けよう】
自分の居るサイトの投稿デッキ全てを診断するのが理想ですが、水HPのように多過ぎると時間が足りませんね。こんな時、あなたはどんなデッキを中心に診ますか?1.仲間のデッキ(お世話になっているお礼) 2.得意分野のデッキ(診断が楽) 3.面白いデッキ(診断が楽しい) 4、強いデッキ(スキルアップのチャンス!)等ですね。私も全く同感です。でも今日からはちょっと冒険をして 5.レスがついていないデッキ 6.初めての方のデッキ も積極的に診てみませんか?全ての投稿者は診断して欲しいと願っていますから、感謝されるはずです。最初にもらったカキコはいつまでも心に残ります。逆に診断する側にとって「最初のカキコ」には勇気が必要です。不思議なことに最初のレスを付けている方々は、名手と呼ばれる人、名手の素質を持った人が多い気がします。誰もカキコをしていないデッキ、または素性がわからない方への診断で頼れるのは自分の感性だけ...たぶん、心構えが違うからですね。このサイトでも積極的に最初の診断をされている方々は名手揃いで、直感診断のスピード、鋭さが違う感じです。あなたも診断の達人を目指すなら、最初の診断を心掛けること=名手への最短距離ときれいにまとめて、いよいよ具体的な診断基準に入っていくことにしましょう!

【デッキ鑑賞フェーズ】
いきなり核心の説明をします。このフェーズは「心に響く診断」をするために必要不可欠です。全ての診断はここから始まっているはずですが、意識的に鑑賞している人は少ないかもしれません。このフェーズを大切にする人は診断の上達が早いです。そして、投稿者の本質を理解して、説得力のある診断が出来るようになること。これこそが目標ではないでしょうか?このフェーズだけである程度全てが見えてしまう人は、診断の達人ですね。先に細かい部分、特にバランスの悪さ、無駄なカード等の欠点に眼が行くと、鑑賞を忘れてしまいがちです。細かいところにはとらわれずに全体を見ることが重要!欠点よりも、良い所を探す方が良さげです。つまり、診断ではなく鑑賞なのです。そもそも「診断」は、医者が患者を診る時に、悪い所を探すことを意味しますね。何気なく「デッキ診断」と言っているから誤解が生じる。診断というよりも作品を鑑賞する心構えが大切です。荒削りでも凄い発想があるとか、弱いけどプレイが楽しそうとか、バランスは悪いけどこのコンボは凄い!とか絶対に何かが見つかると思います。それを生み出した投稿者の感性に触れてみましょう!デッキ自体は感性のほんの一部分です。こちらも素直な感想と感性で応えましょう。一言、感想を伝えるだけで、投稿者はその10倍ボリュームの診断よりも感動して、自ら進化してしまうことはあるのです。私の場合も、密かな自信作を「美しいデッキですね」とか「良くファンデッキをここまでまとめられますね」などと誉められた喜びがあったからこそ、今の自分があるのだと確信しています。こういった励ましがなければ、半年前に遊戯王から卒業していたかもしれません。大切ですよ!素直な感想(特に誉め言葉)って!!話を戻しますが、意識して鑑賞の癖をつけるとデッキから漂うオーラが見えるようになるし、自分の中に眠る感性も無意識に出せるようになると思います。だから、後に解説するフェーズで迷った時は、理論よりも感性(第一印象)を信じてみるべきです。これ以上、言葉で説明するのは難しいので、実際の診断で何も考えずに最初に3分くらいじっとデッキを眺めて感じてみてください。たぶん...何か深く感じるものがあると思います。

【客観的診断フェーズ】
デッキ構築の基本なので、初心者相手の診断では特に重要な部分です。ここを直すだけでかなり強いデッキになるでしょう。経験豊富な投稿者は意識的にバランスを崩したり、あえてマイナーなカードに挑戦することがあるので、判断が難しいです。もちろん、見落としとか無謀過ぎるコンセプトはあるかもしれません。最終的には鑑賞フェーズでの素直な感想、感性を信じて、診断するようにしましょう!

1.バランスを見る
デッキ全体の枚数はコンセプトをハッキリさせるためには40枚、多少戦略の幅を持たせるためには42枚がベストだと思います。それ以上の場合、なくても良いカードは絶対にあるはずです。通常のデッキではモン:魔法:罠のバランスは17−17−6、または18−18−4くらいが良さそうですね。モンスターと言うより魔法に近い効果を持つものはモンスターの数に含めない方が良いでしょう!特にならず者、異次元など、すぐに場から消えてしまうものは注意が必要ですね。次に機能別のバランス、例えばモン除去、罠除去、手札強化、防御蘇生系などのバランスを見ます。バランスが良いデッキはプレイが楽で、弱点が少ないので強いですが、あまり整え過ぎると個性が薄れることもあるので注意が必要です。徹底的に尖らせることによって弱点を補い、絶妙のバランスを取る...この矛盾する課題に挑戦して、成し遂げることはファンデッキ・マニアの永遠の夢ですよねぇ...(実感

2.個別のカードを見る
必須カードの漏れがないかどうか、キーカードの見落としがないかどうかを個別に見ます。普段から、自分なりの必須カードを20枚前後決めておくと楽です。デッキの個性(特にモンスター)10枚前後も尊重して約30枚!残り10枚の順位付けは難しいですね。私の経験では悩む部分は大体同じですね。上級3枚目以降/1900・5枚目以降/引っ張り3枚目以降/キャノン2枚目/サイポ/ファイポ/カオポ/キラスネ2枚目以降/大嵐2枚目/サイク3枚目/ハリケ/抹殺2枚目/地割れ2枚目/手向け/強奪/埋葬2枚目/番兵/和睦2枚目/3枚入っている魔法・罠/普通使われない魔法・罠などが抜く候補になると思います。1番のバランスと3番の相性(コンボ)まで広げて順位付けを考えましょう。これは、診断士の実力、個性がそのまま出る、最もやりがいのあるフェーズと言えるでしょう。後で説明する主観的診断フェーズとも、半分くらい重なるかもしれません。

3.カード間の相性を見る
強いカードだけで構成されていても、何故か迫力を感じないデッキがあります。実戦ではコンビネーションが非常に重要になるからです。1枚のカードが局面によって、何通りもの使い方が出来る。またはコンセプトを活かせるカードで固めることが望ましいです。つまり、コンボが多い方が強くなるのです。例えばハリケーンは難しいカードです。護封剣、埋葬などを繰り返し使う、フィニッシュ前に相手の罠を全て外す。相手の勅命、ジャマーにフェイントで使う...使いこなせれば便利ですが、護封剣、埋葬が入っていないデッキでは大嵐の方が無難ですね。逆に護封剣、埋葬、フィールドカードがメインのデッキ、手札抹殺、メタポ、魔力の枷などが入ったデッキでは活躍できそうですね。特にデッキのコンセプト、キーカードとの相性を重視することが重要です。全てに相性の良いサンダーボルト・クラスのカードは少ないので、多少の欠点には眼をつぶることも必要ではないでしょうか?また、必須カードでも相性が悪く、活躍出来そうにないと感じたら、抜くことを薦める勇気も必要ですね。

【主観的診断フェーズ】
これが投稿者と診断士の感性の触れ合う診断の醍醐味の部分です。投稿者の感性を理解した上で、診断士の感性を素直に伝えることが「心に響く診断」の中心なのです。内容が充実していて過不足なく40枚に収まることが理想ですが、難しい。診断士にはデッキ構築能力(センス)が必要です。自分の作り上げたイメージをスペースに納めてこそ、真の診断士と言えるでしょう。地味ですが「捨てる技術」は大切です。相性の良いカードを指摘するだけなら誰でも出来ますが、同時に抜くべきカードを的確に示してこそ「鋭い診断」となるのですね。

1.投稿者の視線
特に攻撃重視、守備重視、除去重視など何かを尖らせている場合は投稿者のプレイ・スタイルに拠ることが多いので、個性を殺して無理にバランスを取らない方が良いかもしれません。スタイルを理解出来たら、投稿者の視線で考えてみましょう。投稿者の目指す方向でもっと尖らせて、バランスも取ることが出来たら最高ですね。限界を越えた尖りはプレイ負荷に影響が出てくるようなので、頭の中でシミュレーションして、無謀と思ったら控えめに助言すると良いです。例えばスピア時代になってからのゴブリン2枚目&スケープ2枚目、1900・5枚目以降、埋葬、ハリケーンなどの難しいカードの2枚目以降、魔法、罠の3枚目などですね。序盤に手札にダブって困った...このカードさえあればと何度も思った...こんな体験談を添えると説得力があります。自分の心に残る実戦経験は経験のない投稿者の心にも響く重みを持つと思います。

2.診断士の視線
直感診断、私的診断と呼ばれるものですね。投稿者の共感を呼んだり、新鮮な驚きを生み出すのはこのタイプの診断です。ただし、押し付けにはならないように、投稿者の視点を理解した上で、別の方向性を示すことが大切です。投稿者はコンセプトに集中するあまり視野が狭くなりがちです。「...はずだ」「...に違いない」などの思い込みもあると思います。刺激を与えて、進化させるためには、診断士の視線は常識に囚われない自由な発想が求められます。全てを語らずにヒントをさりげなく伝える...スマートで印象に残る診断だと思いませんか?時には、優れた診断士の発想をそのまま引用することも良いと思いますが、自分の体験と重ねて共感できたものでないと、薄っぺらい感じがして、なかなか「心」は伝わらないものです。

3.捨てる技術
相性の良いカード、お薦めのカードを示すだけなら誰でも出来ます。たぶん、誰でもすぐに指摘出来るカードは投稿者も迷ったはずです。また、診断士のお薦めカードに共感して使ってみたい場合も、自分で一度納得したデッキからは中々抜けないものです。無責任な発言は逆に迷いを増やしてしまうかもしれません。同時に抜くべきカード、特に投稿者が迷っているカードを理由付きで指摘することができれば、投稿者も納得して抜くことが出来ますね。診断士の頭には、各カードの順位付けと最終的なデッキ・イメージが浮んでいる必要があります。もし、自分のデッキだとしたらこうすると考えてみましょう。抜くべき理由はハッキリしないけど...なんとなく浮いている感じがする。ここでも、最後は感性が決め手になります♪

【開拓者フェーズ】
これが出来るようになれば、上級診断士だと思います!つまり、開拓者=過去にないコンセプト、構成の発見者。お互いに経験の裏付けもないし、シミュレーションも大変難しいです。未知の世界には基準(バランス)も存在しません。しかし、壁が高いほど達成感は味わえます。新しい発想が湧いてきて、楽しみながら確実にスキルアップできると思います。例えば投稿者の考えた構成、コンボが別コンセプトと抜群に相性が良いのではないか?もしかして、普段使われないこのカードと相性が良いのではないか?など思いついたら、深く考えずに、すぐにカキコしてみましょう!同じことを感じている人はたぶん何処かに居るはずなので、出し惜しみは馬鹿馬鹿しいことです。奥が深いと感じたら、自らのテーマとして、同好の士と研究してみましょう。どんなに強い方でも、一人で出来ることはたかが知れています。水HPの研究会には最先端を目指して活動をしている多くの仲間がいらっしゃいますので、とても環境が整っています。他人のオリジナルと知って使わせてもらう時は、必ずその方の了解を取るのがマナーです。100%その人のオリジナルというコンセプト、構成は有り得ませんので決して恥じることはありません。もしかして、あなたは新コンセプトの始祖になれるかもしれません。「XXXデッキ」と言えば、誰もがあなたを思い浮かべる...そんなパイオニア(=スペシャリスト)になってみませんか?

【おわりに】
いかがでしたか?「よし、俺も!」と燃えている方は何かを感じていただけましたね。「物足りないなぁ...もっと読みたい」と思っている方は引き出しの多い方ですね。「ふ〜ん...」で終わってしまった方、申し訳ありません。私が力不足でした。デッキ診断は奥が深いので、多くを語るのは無謀でした。実は原案で考えた項目の半分をあえて捨て、私の感性の範囲内でエッセンスだけをまとめることにしました。私が尊敬する診断士の方々から盗ませていただいた裏技の大半は残念ながら抜けてしまいました。自分では納得していても、説得力に疑問を感じたからです。同じことを言っていても説得力のある診断と、そうでないものがありますよね。やはり、自分の素直な感性から生まれたもの、デッキ構築、実戦の際に感じたことは深さのレベルが違います。経験に勝る教師は存在しないことを実感しました。最後に一言。「あなたが受けた診断の中で最も印象深かったものをいくつか思い出してみてください。そんな診断をあなたもしてみたいと思いませんか?私も心掛けています。」伝えたいメッセージはこれだけ...お疲れ様でした!(笑) それでは、また〜♪