暗黒の魔人編 第7章
enchaさん作

作成:02/11/16


遊戯は城の屋上へと続く階段を登りながら考えていた。
(ペガサスの弟というフェニックス・・・。果たして本当にペガサスの・・・、あるいはペガサス本人か?)
階段の先に光が見える・・・、遊戯は屋上に出た。
「こ、これは!」
城の屋上には巨大な六芒星が画かれたレリ−フとデュエルテ−ブルがセッチングされていた、遊戯はレリ−フに目をやる。
「あ、あれは!」
レリ−フには3枚のカ−ドが納められていた。魔人アスタロト、魔人ベルゼブブ、そして・・・。
「オ、オベリスク・・・。何故ココに?」
「海馬ボ−イがデビル・ディ−ラ−に敗北したからデ〜ス、遊戯ボ−イ。」
遊戯が振り返ると、そこには!
「フェニックス!」
「ようこそ、遊戯ボ−イ。混沌の儀式の祭壇へ・・・。」
「混沌の儀式?」
フェニックスが遊戯の方へと歩き出した。
だが、近づいて来る度にフェニックスの表情が変化していく。
「・・・光の石の象徴である神のカ−ド、そして暗黒の石の象徴である魔人カ−ド・・・。」
フェニックスが遊戯の目の前に立った、遊戯はフェニックスから只ならぬ気配を感じ取っていた。
「・・・お前の持つ2枚の神を手に入れれば、私の目的は達せられる・・・。“カ−ド魔神”を復活させ、この世を“真の闇”で覆うという目的を・・・。」
「誰だ!お前は!」
「・・・私か?私はこの男を影で操る闇の世界の住人、ミスト。魔人カ−ドを生み出す為に、ペガサスと同じ血を持つこの男を利用したが、もう用は無い。ただ最後に私の役に立ってくれた礼として、ペガサスを倒したお前をこの男の手で葬る手助けをしてやろうと思ったまでの事。兄、ペガサスを超えたいというこの男の儚き夢をな・・・。」
「人を闇の力で操り、用済みになると捨てる・・・。許せねぇぜ!」
「・・・なら私を倒してこの男を救ってみるか?闇の力を欲し、私を受け入れたこの男を・・・。」
「デュエルで勝負するんだろ?テ−ブルにつけ!」
「・・・よかろう。私が持つ最強の魔人、サタンがお前の息の根を止めるであろう・・・。」
遊戯とフェニックス(ミスト)がデュエルテ−ブルに付いた。
同時にテ−ブルの周りを闇が覆う。
「・・・フフフッ。闇のゲ−ムの始まりだ・・・。」
「闇のゲ−ム?」
「・・・千年アイテムの所持者だけが闇のゲ−ムを司る訳ではない、元々闇の住人である私にも使えるのだ。遊戯、お前のライフポイントが0になった時、この世の地獄を味あわせてやろう・・・。」
「オレは負けないぜ!必ずお前を倒す!フェニ、いや、ミスト!」
デュエル!
「・・・では私のタ−ンだ・・・。」
フェニックスはカ−ドを引く。
「・・・プリズムナイト(攻1200・守1300)を召喚。伏せカ−ドを2枚出してタ−ン終了・・・。」
(攻撃力1200のカ−ドを・・・、罠か?)
「オレのタ−ン!」
(ここは・・・)
「カ−ドを1枚場に伏せクィ−ンズ・ナイト召喚!プリズムナイトに攻撃!」
クィ−ンズ・ナイトがプリズムナイトに剣を突き立てた。
パリ−ン、プリズムナイトが砕け散った。
「・・・この瞬間、プリズムナイトの特殊効果が発動される・・・。」(LP3700)
「何!」
グサグサッ!クィ−ンズ・ナイトの身体にプリズムナイトの破片が突き刺さっていく。
「・・・フフッ、プリズムナイトを破壊したモンスタ−は攻撃力を半減させられる・・・。」
「チッ!」
遊戯がタ−ン終了を宣言した。
「・・・私のタ−ン・・・。」
フェニックスはカ−ドを引いた。
「・・・では私の“イリュ−ジョンデッキ”の華麗なる必殺コンボをお見せしよう・・・。」
フェニックスは場の伏せカ−ドをめくった。
「・・・罠カ−ド、ファントム・ミラ−・・・。」
「こ、これは!」
遊戯の場に2体のクィ−ンズ・ナイトが現れた。
「・・・更にこのカ−ドを・・・。」
フェニックスはもう1枚の伏せカ−ドをめくった。
「・・・罠カ−ド、ダイヤモンド・ダスト。互いの場に出ているモンスタ−1体に付き、プレイヤ−に500ポイントのダメ−ジを受ける・・・。」
「という事は・・・。」
「・・・お前の場にはファントム・ミラ−の効果により、2体のモンスタ−が場に出ている事になる。つまりお前はこの時点で1000ポイントのダメ−ジを受ける事になる・・・。」
「クッ!」(LP3000)
「・・・更に・・・。」
フェニックスは手札からカ−ドを出した。
「・・・幻想モンスタ−、ブレイン・インフェルノ(攻0・守0)召喚。効果発動・・・」
ギンッ!ブレイン・インフェルノの眼が妖しい光を発した。
次の瞬間!
「キャ−!」
3体のクィ−ンズ・ナイトが頭を抱えて暴れ出した。
「・・・クィ−ンズ・ナイトは、ブレイン・インフェルノによって死の幻影を見せられている。やがて・・・」
ボン!何と3体のクィ−ンズ・ナイトの頭が吹き飛んでしまった。
「何!」
「・・・ブレイン・インフェルノに脳を破壊されたのだよ。この効果によって破壊されたモンスタ−の攻撃力の半分がお前のライフポイントから引かれる・・・。」
「クッ!」(LP1500)
「・・・どうかな?私のイリュ−ジョンコンボは・・・。」
(何てヤツだ・・・)
「・・・1枚カ−ドを伏せてタ−ン終了・・・。」
「オレのタ−ン!」
(今のヤツのタ−ンで一気にライフを削られた。これ以上、攻撃を受ける訳にはいかない!)
「このカ−ドに賭けるぜ!」
引いてきたカ−ドは・・・。
「死者蘇生でクィ−ンズ・ナイトを蘇生させるぜ!」
「・・・ンッ?・・・」
死者蘇生の効果により、クィ−ンズ・ナイトが場に復活した。
「更に手札からコイツを出すぜ!」
遊戯が場に出したのは・・・、キングス・ナイト!
「・・・絵札の三銃士!・・・」
遊戯の場にはクィ−ン、キングが揃った事で、ジャックス・ナイトが特殊召喚された。
「三銃士の攻撃!」
フェニックスの場には攻撃表示のブレイン・インフェルノ(攻撃力0)と伏せカ−ドが1枚。
「・・・伏せカ−ド発動・・・。」
フェニックスが伏せカ−ドをオ−プンした。
「・・・罠カ−ド、邪眼の呪縛・・・。」
ブレイン・インフェルノの目が光った。その光を受けたキングス・ナイト、ジャックス・ナイトの動きが闇の鎖によって封じられてしまった。
「・・・ブレイン・インフェルノの邪眼を受けたモンスタ−は、バトルフェイズを行う事が出来なくなる・・・。」
「だがクィ−ンズ・ナイトの動きは封じられてないぜ!」
クィ−ンズ・ナイトがブレイン・インフェルノの目に剣を突き刺した。
「・・・。」(LP2200)
ブレイン・インフェルノが倒された事により、邪眼によって拘束されていた2体のモンスタ−が開放された。
「・・・どうやらお遊びが過ぎたようだ・・・。」
「フッ、邪眼が発動しなかったらこのタ−ンで終わっていたぜ!」
「・・・確かにな。ではこれからは本気で闘うとしよう・・・。」
遊戯はタ−ン終了を宣言した。
「・・・私のタ−ン・・・。」
フェニックスがカ−ドを引く、そのカ−ドは・・・。
「・・・伏せカ−ドを2枚出してタ−ン終了・・・。」
フェニックスはモンスタ−を出さずにタ−ンを終えた。
(伏せカ−ドのみでタ−ンエンドだと!罠か?)
「オレのタ−ン!」
遊戯がカ−ドを引く。
突然空に雷雲が・・・、そして稲妻と共に・・・。
「三銃士を生贄に捧げ、オシリスの天空竜降臨!!!」
オシリスの天空竜(攻撃力3000)がその姿を現した。
「・・・こ、これがオシリス・・・。」
「オシリスの天空竜の攻撃!」
超電動サンダ−フォ−ス!!!
「・・・伏せカ−ド発動・・・。」
ズガーン!!!サンダ−フォ−スがフェニックスの場で炸裂した。
「やったか?」
「・・・フフフフフッ・・・。」
フェニックスが笑っている。
「何ッ!サンダ−フォ−スを防いだというのか?」
フェニックスの場の土煙が徐々に消えていく、遊戯はその土煙の中に何かを見つけた。
「・・・罠カ−ド、表裏一体の効果で私の場に魔人サタン、いや、天使長ルシファ−が召喚された・・・。」
フェニックスの場には薄い聖なる衣を纏った天使長ルシファ−(攻撃力0・守備力0)が・・・。
「・・・今はお前のタ−ン。魔人サタンは相手タ−ン時には天使長ルシファ−となり、相手のあらゆる攻撃を受け付けない無敵の盾となるのだ・・・。」
「何だと!」
「・・・次の私のタ−ンでは、魔人サタンの姿を見せてやろう・・・。」
「こうも簡単に魔人を召喚されるとはな、だが!」
ゴゴゴ・・・、オシリスのもう1つの口が開いた。
「お前の場にモンスタ−が召喚された事で、オシリスの特殊能力が発動する!」
召雷弾!!オシリスのもう1つの口から発せられた雷の球が、天使長ルシファ−を直撃した。
しかし召雷弾も天使長ルシファ−には通用しなかった。
「・・・フフフッ、ムダだ。ルシファ−にはいかなる効果も通用せん・・・。」
「やはりダメか・・・。」
「・・・だがオシリスの特殊能力がある限り、私はモンスタ−を出す事はほどんど出来なくなった。これで神と魔人の闘いを邪魔するモノはいなくなった訳だ・・・。」
「あぁ。オレも魔人の能力が分からない内は、迂闊にモンスタ−を場に出せない。最もオシリスを出した以上、手札を使うのは命取りになるしな。」
「・・・1つ教えてやろう。サタンには罠カ−ドが通用する、ルシファ−があらゆる攻撃、魔法、罠、効果を受け付けない代わりにな・・・。」
「そんな事をわざわざ教えるという事は・・・。」
「・・・フフフッ、信じるか信じないかはお前の勝手だがな・・・。」
(ヤツの話を信じれば、サタンの状態の時しかヤツを倒すチャンスは無いという事になる・・・が)
「伏せカ−ドを1枚場に出してタ−ンを終了する!」
「・・・手札を使うのは命取り、と言ったさっきの言葉とは矛盾する行為だな・・・。」
遊戯がタ−ン終了を宣言すると天使長ルシファ−が変化し始めた。
肉体は黒くなり、2本の巨大な角が生えてきた。聖なる衣も消え、巨大な2枚の翼が背中から生えてきた。まさしく“魔人”の名に相応しい姿を現した。
「こ、これが・・・、魔人サタン。」
魔人サタン(攻撃力0・守備力0)がゆっくりと立ち上がった。
「・・・ではこれから魔人サタンの攻撃力・守備力を決める儀式を行う・・・。」
そう言うとフェニックスは内ポケットから何かを取り出した。
「12面ダイス?」
「・・・遊戯よ。サタン、いや、天使長ルシファ−がかつて天界で神に次ぐ実力者だった事は知っているかな?・・・」
「あぁ。」
「・・・なら天使長ルシファ−が12枚の羽根を持つ天使だったという事は?・・・」
「そこまでは知ら・・・まさか!!」
「・・・気付いたようだな、魔人サタンの攻撃力・守備力を12面ダイスによって決めるのはその名残・・・。魔人サタンの攻撃力・守備力は12面ダイスの目×500ポイント。当然、最高の数値は12の目を出した時の6000ポイント・・・。」
「だが1や2という事もあり得る。」
「・・・フフフッ。この私がそんな数を出すと思うか?・・・」
フェニックスがダイスを振った、その数は・・・8!
「・・・これでサタンの攻撃力は4000。攻撃力2000のオシリスを葬るのは簡単だ・・・。」
「そうかな?あれを見な!」
遊戯はオシリスを指差した。オシリスの上の口が再び開いた。
「どうやら魔人サタンが新たに召喚された、という判断らしいぜ!」
召雷弾!!雷の球がサタンを直撃した。
グゥオオオ!!!召雷弾の効果により、サタンの攻撃力が2000に下げられた。
「・・・ホゥ、これを見越して手札を減らしたのか・・・。」
「オレにとっても賭けだったがな。」
「・・・お前のその勇気を称え、このタ−ンは場に1枚カ−ドを伏せるだけでタ−ンを終了しよう・・・。」
フェニックスがタ−ン終了を宣言したと同時に、サタンがまた変化を始めた。
黒かった肉体は白くなり、巨大な角が消えていく。巨大な翼も消え、白い衣が全身を覆う。
「・・・不死身の天使長ルシファ−がいる限り、お前の攻撃は私には届かない・・・。」
遊戯は場の天使長ルシファ−(攻撃力0・守備力4000)を見た。
(普通の手段ではルシファ−の鉄壁の壁を突破出来ない、しかしあのカ−ドを引けばまだチャンスがある!)
「オレのタ−ン!」
遊戯はカ−ドを引いた。
(だがその前にサタンの攻撃を許す訳にもいかない)
「場に1枚カ−ドを伏せてタ−ン終了!」
再びフェニックスの場にサタンが現れた。
「・・・私のタ−ン・・・。」
フェニックスはカ−ドを引く。と同時に12面ダイスを振った。
「・・・10。これでサタンの攻撃力は5000・・・。」
(5000!)
「・・・終わりだ、遊戯・・・。」
魔人サタンの両腕に巨大な三叉槍が握られた。
「・・・サタン。オシリスを粉砕せよ・・・。」
魔人サタンがオシリスに攻撃を仕掛けた。
「伏せカ−ド発動!聖なるバリア-ミラ−フォ−ス!!!」
ミラ−フォ−スの聖なるエネルギ−が、サタンに向けて放たれた。
「・・・サタンの特殊能力発動・・・。」
フェニックスがそう宣言すると、サタンがオシリスへの攻撃を中止し、三叉槍を前にかざした。
ブ−ン!聖なるエネルギ−がオシリスにはね返された。
「ミラ−フォ−スがはね返されただと!」
しかしオシリスには罠カ−ドの効果を受け付けない、はね返されたエネルギ−はオシリスによってかき消された。
「・・・フフフッ、残念だったな。魔人サタンにはバトルフェイズ時に発動される罠カ−ドの効果を、500ライフポイントを支払う事で相手に跳ね返すことが出来るのだ・・・。」(LP1700)
「まさかそんな特殊効果を隠し持っていたとはな。罠を受け付けない神でなければ危なかったぜ!」
「・・・だがこれでサタンを罠にかけるのもムダだという事が分かったであろう。あとはジワジワとお前を追い詰めるのみ・・・。」
タ−ン終了、フェニックスの宣言と同時に魔人サタンが天使長ルシファ−に変わる。
・・・以後オシリスとサタンの壮絶な戦いが繰り広げられた。フェニックスは絶対的な壁の天使長ルシファ−でオシリスの攻撃を防ぎ、遊戯はサタンの猛攻を魔法・罠を駆使して防ぐ。互いに決め手が無いままタ−ンだけが過ぎていく・・・。
「・・・フフフッ、なかなかやるではないか。魔人サタン相手にここまで耐えるとはな・・・。」
「だがオレの方が圧倒的に不利なのは分かっている・・・。神を召喚して、相手の攻撃を防ぐので精一杯とはな。」
「・・・そういう事だ。ルシファ−を攻略しない限り、お前に勝ち目は無いのだからな・・・。」
(確かにこのままでは・・・だが!)
実は遊戯は天使長ルシファ−の攻略法のヒントを見つけていた。
・・・「・・・サタンの攻撃・・・。」
数タ−ン前、魔人サタンがオシリスに攻撃を仕掛けた時・・・。
「速攻魔法カ−ド発動!盗賊の壺!」
「・・・盗賊の壺?・・・」
「このカ−ドは相手の手札を1枚、発動タ−ンのみ自分の手札に加え、使用する事も出来る!」
フェニックスの手札を1枚奪った事により、オシリスの攻撃力がサタンを上回った。
「オシリス!反撃のサンダ−フォ−ス!!」
サンダ−フォ−スがサタンに放たれた。
「・・・罠カ−ド発動・・・。」
フェニックスは場の伏せカ−ドを発動した。
「・・・異魔人の招来。このカ−ドで異世界に封印されている天使長ルシファ−を呼び寄せ、魔人サタンと入れ替える・・・。」
サタンが場から消えた。そして異世界の扉が開き、ルシファ−が場に現れた。
現れたルシファ−によって、サンダ−フォ−スは無に帰した。
「・・・残念だったな。サタンを倒す最大にして、最後のチャンスだったかもしれんのにな・・・。」
「あぁ。」
・・・・・・・・・・。
(あれでハッキリした。魔人サタンと天使長ルシファ−は、お互いの存在を介してこの次元と他の次元に同時に存在している、まさに“表裏一体”の存在。)
「オレのタ−ン!」
(魔人サタンを倒す方法は1つ!天使長ルシファ−の裏にいる魔人サタンを攻撃する事。その為には・・・)
遊戯がデッキからカ−ドを引く。
(もう1枚の神、太陽神(ラ−)の翼神竜が必要になる!)
引いたカ−ドを見た遊戯・・・。
(太陽神(ラ−)の翼神竜・・・)
「場に伏せてある魔法カ−ドを発動!死者への貢ぎ物!」
「・・・。」
「このカ−ドの効果で手札を1枚捨てる事で、墓地のカ−ドを1枚手札に加えるぜ!」
遊戯は手札のラ−を墓地に送り、墓地の死者蘇生を手札に加えた。
(これが最後の賭けだ!)
「死者蘇生発動!墓地より不死鳥の姿となりて蘇生せよ!ラ−の翼神竜!!」
「・・・何ッ!ラ−だと・・・」
遊戯の場にゴッド・フェニックス(ラ−)とオシリス、2体の神が揃った。
「更に場の魔法カ−ド、融合を発動!」
ラ−とオシリスが融合し始める。
「フフフッ。いくらオシリスとラ−を融合させようとも、天使長ルシファ−と化した魔人サタンを倒す事は出来ん・・・。」
オシリスとラ−の融合態、超神竜ゴッド・ドラックス(攻撃力2000・守備力2000)が降臨した。
「神は魔法カ−ドの効果を1タ−ンしか受け付けない。だからオシリスとラ−の融合態である超神竜ゴッド・ドラックスも、このタ−ン終了時には場から消えてしまう・・・。」
「・・・仮に場に残っていたとしても、攻撃力2000ではサタンの餌食になるしかない・・・。」
「だが!超神竜ゴッド・ドラックスは神を超えしモノ。その特殊能力を見せてやる!」
超神竜ゴッド・ドラックスが場から消え始めた。
「・・・どうしたというのだ?・・・」
「次元の狭間に行っているのさ。そこにいるであろう、魔人サタンを倒す為にな!」
「・・・まさか!・・・」
フェニックスが床に掌を向けた。フェニックス、いや、ミストの闇の力によって床にある映像が映し出された。そこには活動停止状態の魔人サタン(攻撃力0・守備力0)が、攻撃表示のまま封印されていた。
だが次の瞬間、サタンに迫る超神竜ゴッド・ドラックスの姿が映し出された。
「いくら天使長ルシファ−が鉄壁の壁でも、その裏側の世界に封印されている魔人サタンまでは守れないだろう。」
ゴゴゴゴゴ・・・、超神竜ゴッド・ドラックスの2つの口が開かれた。
「覚悟はいいな、ミスト・・・。」
超神竜ゴッド・ドラックスの2つの口から雷と炎が放たれた。
「天の裁き、ライトニング・ギルティ・ブレイズ!!!」
グゥオオオオオ!!!超神竜ゴッド・ドラックスの攻撃を受けた魔人サタンが
跡形も無く吹き飛ばされた。
「・・・バ、バカな・・・。魔人サタンが・・・。」(LP0)
「オレの勝ちだぜ!ミスト!!」
フェニックスの身体から黒い霧が噴き出してきた、その霧は徐々に人に近い形を形成していった。
「お、お前がミスト・・・。」
ドサッ!フェニックスが床に倒れこんだ。
・・・所詮、ヤツは闇の力を受け入れる器では無かったという事だ・・・
遊戯の頭の中にミストの声が響いてきた。
・・・こうなれば残された手段は1つ。遊戯、お前を操り混沌の儀式の司祭とするまでだ・・・
ミストが霧状の姿になり、遊戯に迫る。
ピカ−!!!千年パズルが光り出した。
ギャ−!!!その光を受けたミストが遊戯の前から消えていった。
「終わった・・・。」
遊戯は杏子がいるであろう部屋に向かった。
杏子は部屋のベッドで眠っていた、ベッドの隣のソファにはモクバが寝かされていた。
「杏子、無事だったか・・・。」
ンンッ、杏子が目を覚ました。
「気が付いたか、杏子・・・。」
「ゆ、遊戯?どうしてココに?」
「迎えに来たぜ、相棒がオ−ディションの結果を聞きたがっていたぜ。」
「そ、そう・・・。」
その時!
「遊戯、そろそろオレも目を覚ましたいんだけどよ。」
ソファで寝ていると思っていたモクバが、2人の会話に割って入った。
「さて、兄サマが迎えに来てくれてんだろ?行かなくちゃな!」
そう言うとモクバが部屋を出て行った。
「・・・わ、私達も行きましょ?遊戯・・・。」