暗黒の魔人編 第6章
enchaさん作

作成:02/11/16


遊戯は西洋の鎧がたくさん飾ってある部屋に出た。
「この部屋の様子から見てオレの相手は・・・。」
「察しがいいな、遊戯。」
ガシャ、ガシャ、部屋の奥から黒い鎧の男、ジェネラルが現れた。
「あのペガサスを倒したお前と戦えるとはな〜、早速始めようではないか。」
「しかしデュエルをするには随分とご大層な鎧だな?」
「これはオレのコスチュ−ムなのでな〜、気にしないでくれ。始めるぞ!」
「オォ!」
2人はテ−ブルについた、デュエル!
「オレの先攻だ、ブラック・ソルジャ−(攻撃力1100、守備力900)を攻撃表示、伏せカ−ドを1枚場に出してタ−ン終了だ。」
(攻撃力1100のモンスタ−を攻撃表示だと、何を企んでいる・・・)
「オレのタ−ン、カ−ドを1枚場に伏せて幻獣王ガゼル(攻撃力1500・守備力1200)召喚!」
遊戯の場に幻獣王ガゼルが現れた。
「幻獣王ガゼルでブラック・ソルジャ−を攻撃!」
幻獣王ガゼルがブラック・ソルジャ−に飛びかかっていった。
「フッ!」(LP3600)
「ハッタリならオレには通用しないぜ!」
「そう思うか、伏せカ−ド発動!」
ジェネラルは伏せカ−ドをめくった。
「罠カ−ド、増援!」
突然ジェネラルの場に2体のブラック・ソルジャ−が出現した。
「こ、これは・・・」
「このカ−ドは相手モンスタ−に倒されたモンスタ−と同名のカ−ドをデッキから特殊召喚することが出来るのだ!」
「タ−ンを終了するぜ!」
「オレのタ−ンだな。」
ジェネラルはカ−ドを引く、そして・・・、
「フハハハハッ、貴様を倒すのに“魔人”カ−ドを出すまでも無いわ!これで充分だ!」
「魔人!」
遊戯は思い出した、夢で羽蛾が使っていた魔人カ−ドの事を。そして、あの言葉を・・・。
(・・・今度は本物の魔人がお前の前に姿を現す・・・)
「儀式カ−ド、カオスの儀式!」
ジェネラルの声が遊戯の意識を現実に引き戻した。
「何ッ!カオスの儀式だと!」
「場の2体のブラック・ソルジャ−を儀式の生贄にして・・・。」
ジェネラルの場にカオスフィ−ルドが・・・。
「出でよ、カオス・ソルジャ−!」
ジェネラルの場に戦士族最強モンスタ−、カオス・ソルジャ−(攻撃力3000・守備力2500)が現れた。
「カオス・ソルジャ−よ、『幻獣王ガゼル』に攻撃!」
カオス・ブレ−ド!カオス・ソルジャ−の剣から衝撃波が、幻獣王ガゼルめがけて放たれた。
「クッ、伏せカ−ドオ−プン!」
遊戯は伏せカ−ドを発動した。
「罠カ−ド、ア−ス・ウォ−ル!」
突然、幻獣王ガゼルの前の地面が盛り上がり衝撃波を防いだ。更に衝撃波によって舞い上がった岩石が、カオス・ソルジャ−を直撃する。
「このカ−ドは敵からの攻撃を1度だけ防いでくれると同時に攻撃してきたモンスタ−の攻撃力を1000ポイント下げる事が出来る。」
「チッ、タ−ンを終了する。」
「ならオレのタ−ン。」
(攻撃力は落ちたが、カオス・ソルジャ−とは・・・厄介だぜ!)
ドロ−!引いてきたカ−ドは死者蘇生のカ−ド・・・。
「よし!死者蘇生でブラック・ソルジャ−を蘇生召喚!」
遊戯の場にジェネラルの墓地のブラック・ソルジャ−が蘇生召喚された。
「場の2体のモンスタ−を生贄に捧げ、ブラック・マジシャンを召喚!」
「ブラック・マジシャンだと!」
遊戯の場にブラック・マジシャン(攻撃力2500・守備力2100)が現れた。
「ブラック・マジシャン!カオス・ソルジャ−に攻撃!」
ブラック・マジック!
グォ〜!カオス・ソルジャ−が破壊された。
「なんと言う事だ。」(LP3100)
「どうする、将軍(ジェネラル)さんよ。」
「必ずお前を倒してみせる!」
「なら伏せカ−ドを1枚出してタ−ン終了だ!」
「オレのタ−ン!」
ジェネラルはカ−ドを引く。
(よし、これで準備は整った)
「モンスタ−を守備表示で召喚、タ−ン終了。」
(さぁ、攻撃してくるがいい)
遊戯はジェネラルの様子をうかがっている。
(罠だな、ならば・・・)
「オレのタ−ン!もう1枚カ−ドを場に伏せて、ブラック・マジシャンで裏守備モンスタ−に攻撃!」
ブラック・マジックが裏守備モンスタ−に炸裂した。
「かかったな!守備モンスタ−、スフィア・ボムをブラック・マジシャンに装着!」
スフィア・ボムがブラック・マジシャンめがけて飛び始めた。
「フッ、やはりな。」
「何ッ!」
「ブラック・マジシャンを除去できる効果モンスタ−じゃないかと読んでいたぜ!」
と言うと遊戯は伏せカ−ドを発動した。
「速攻魔法、闇のマント!」
「闇のマントだと!」
「このカ−ドを装備したモンスタ−を対象にした効果モンスタ−の効果を無効化し破壊する。」
闇のマントを装備したブラック・マジシャンが、マントを振りかざした。
スフィア・ボムは闇のマントにはじかれ、ブラック・マジシャンに取り付く事無く墓地に送られた。
「残念だったな、ジェネ・・・」
「フフフッ・・・」
ジェネラルは低く笑い出した、そして何かを呟いている。
「4・・・、4・・・、4・・・、8.・・・、4・・・」
「何だ!」
ジェネラルの場に突然黒いカ−テンが現れた。
「こ、これは?」
「今、“魔人”アスタロトの召喚条件が揃った・・・。」
「何ッ!」
「オレの墓地に送られたモンスタ−の“星”の合計が22を超えた時、そのモンスタ−全てをゲ−ムがら除外する事で、アスタロトを特殊召喚することが出来る。」
シャ−!黒いカ−テンが開き、中から“魔人”アスタロトが現れた。
「これが3魔人の1つ、アスタロト(攻撃力2400、守備力2400)だ!」
「でもその割には能力的にはそんなに高くは無いな。」
「アスタロトの攻撃力・守備力は、召喚の為に墓地から除外したモンスタ−の星の数×100ポイント。今の時点では2400だが、これから墓地にモンスタ−が増える度に、そのモンスタ−の星の数の分、さらに上がっていくのだ!」
「・・・タ−ンを終了する。」
「ならばオレのタ−ン!」
(このタ−ンに墓地にモンスタ−が送られたら・・・)
ジェネラルはカ−ドを引く。
「まずはこれを使う。魔法カ−ド、天使の施し!」
「天使の施しだと!」
ジェネラルは3枚のカ−ドを引き、2枚を墓地に捨てた。
墓地に捨てたカ−ドは・・・。
「4つ星と6つ星のモンスタ−、これでアスタロトの攻撃力は1000ポイントアップする!」
(ま、まずい!)
「アスタロトよ、ブラック・マジシャンに攻撃!」
アスタロト(攻撃力3400)はブラック・マジシャンめがけて、持っていた巨大な槍を放った。
「クッ、伏せカ−ドオ−プン、魔法の筒!」
ブラック・マジシャンの前に巨大な2本の筒が現れた。
「フッ、アスタロトの特殊効果発動!」
場にセットされている魔法の筒のカ−ドの上に小さなル−レットが現れた、ル−レットには“有効”、“無効”と書いてある。
「その魔法の筒の効果を無事に発動出来るかどうか、アスタロトの“審判”を受けるがいい!」
ル−レットが回転を始めた。
「もし“有効”のマスに止まれば、魔法の筒の効果はそのまま発動出来る。だが・・・。」
ル−レットの回転が遅くなってきた。
「“無効”のマスに止まればそのカ−ドは破壊される。」
ピタッ!ル−レットは“無効”のマスに止まった。
「フハハハハッ。残念だったな、遊戯!」
魔法の筒が消え、ブラック・マジシャンはアスタロトの槍に貫かれ、破壊されてしまった。
「クッ!ブラック・マジシャン・・・。」(LP3100)
「フハハハハッ。切り札であるブラック・マジシャンを失ったお前はもう終わりだ!」
「まだわからないぜ!」
「フッ、何とでも言うがいい・・・。だが貴様にはもうアスタロトを倒す手段はあるまいて。」
(確かに3400もの攻撃力を持つアスタロトを倒すには・・・)
「オレのタ−ンは終了だ。お前の番だ、遊戯!」
「オレのタ−ン!」
(このカ−ドにかけるぜ!)
引いてきたカ−ドは・・・。
「光の護封剣!」
「光の護封剣だと!」
だが光の護封剣のカ−ドの上にル−レットが・・・。
「アスタロトの特殊効果発動!光の護封剣などかき消してくれるわ!」
ル−レットが回転し、止まった・・・。止まったマスは・・・、
「有効!」
「チッ!」
ジェネラルの場が、光の護封剣によって封印された。
「これで3タ−ン、お前の動きを封じるぜ!」
「フン!たかが3タ−ンで何が出来ると言うのだ!」
「オレはこの3タ−ンに全てをかけるぜ!」
「・・・よかろう。見せてもらおう、お前の可能性とやらを・・・。」
「このタ−ンはこのカ−ドを場に出して終了する。」
遊戯の場にはクィ−ンズ・ナイト(攻撃力1500・守備力1600)が召喚された。
「遊戯、お前に勝つ手段が残されているとすればオシリスの天空竜を召喚するくらいの事・・・。フェニックス氏はオシリスを参考にアスタロトを作ったそうだ。オリジナルとコピ−、どちらが上かを見るのもよかろう。」
ジェネラルはカ−ドを引く、そのカ−ドは・・・。
「天使の施し!」
再びジェネラルは3枚のカ−ドを引き、2枚のカ−ドを捨てた。
「5つ星モンスタ−を1枚墓地に、これで・・・。」
アスタロトの攻撃力は3900にまで上がった。
「攻撃力3900か。もう少し墓地にモンスタ−を送り込めば、オシリスといえどもそう簡単にはアスタロトの攻撃力を超えまいて。」
「オレのタ−ン!」
遊戯はカ−ドを引いた。
「強欲の壺発動!カ−ドを2枚引かせてもらうぜ!」
遊戯はデッキから2枚のカ−ドを引いた、内1枚は・・・。
(キングス・ナイト・・・)
神召喚の為の三連コンボを完成させるカ−ドは引く事が出来た。が・・・、
遊戯は攻撃力が3900にまで上がっているアスタロトを見た。
(今、オレの手札は2枚。オシリスを召喚した時点で4枚以上の手札が無ければアスタロトは倒せない・・・)
「どうした?もう手詰まりか?」
ジェネラルのその言葉に遊戯はキングス・ナイト(攻撃力1600・守備力1400)を召喚する事で答えた。
「オレの場にキング、クィ−ンが揃った。それにより、デッキからジャックを場に出す事が出来る。」
「モンスタ−三連コンボか!!」
ジャックス・ナイト(攻撃力1900・守備力1000)が特殊召喚され、遊戯の場には“絵札の三銃士”が揃った。
「フッ、もう詰んでるのはあんたかもしれないぜ!」
「せいぜいほざいているがいい!オレのタ−ン。」
ジェネラルはカ−ドを引いたが、何もせずにタ−ンを終了した。
「フッ!」
「何がおかしい?」
「やはり手詰まりしてるのは、あんたじゃないのか?」
「な、何だと!」
「オレのタ−ン!」
遊戯がカ−ドを引く。引いてきたカ−ドを見て遊戯は思わず笑みを漏らした。
「よし!永続魔法カ−ド、魔導士の死呪文発動!」
「魔導士の死呪文?」
「このカ−ドはオレの墓地に魔法使いカ−ドが眠っている時に発動出来る永続魔法カ−ド。発動タ−ンからオレの墓地のブラック・マジシャンとこのカ−ドが発動していり限り、メインフェイズで墓地にある魔法カ−ドの効果を得る事が出来る。」
「という事は・・・。」
「そう、オレの墓地にある強欲の壺の効果を毎タ−ン使わせてもらうぜ!」
「ならばそんなカ−ドの発動など打ち消してくれるわ、アスタロト!」
アスタロトが魔導士の死文にル−レットを仕掛けた。しかし“有効”のマスに止まった為、発動を無効に出来なかった。
「チッ!こんなにもル−レット運が悪いとはな・・・。」
「なら強欲の壺の効果を使わせてもらうぜ!」
墓地に眠るブラック・マジシャンが、強欲の壺を発動させる呪文を唱えた。
遊戯は2枚のカ−ドを引いた。
(これでオレの手札は3枚。だが次のタ−ンでオシリスを引けなければオレの負けだ)
「場にカ−ドを1枚伏せて、このタ−ンは終了するぜ!」
「フフフッ、次のオレのタ−ンが終われば光の護封剣は消える。いよいよ最後だな、遊戯。」
「あぁ。勝負だ!ジェネラル!」
「オレのタ−ン!」
ジェネラルがカ−ドを引いた。
「守備モンスタ−を1体、伏せカ−ドを1枚場に出してタ−ン終了だ!」
ジェネラルがタ−ン終了を宣言すると同時に、光の護封剣が消えていった。
「オレのタ−ン!」
遊戯がカ−ドを引いた。
(よし!)
「!!!」
絵札の三銃士が生贄に捧げられた、遊戯の場に稲妻が・・・。
「オシリスの天空竜、降臨せよ!!!!」
カッ!大きな稲妻と共に天空からオシリスの天空竜(攻撃力3000)が降臨した。
「オ、オシリス・・・。」
「今の時点でオシリスの攻撃力は3000。だがオレは魔導士の死呪文により、再び強欲の壺の効果を得るぜ!」
遊戯の手札に、強欲の壺の効果により2枚のカ−ドが追加された。これでオシリスの攻撃力は5000!
「アスタロトに対し、オシリスの天空竜の攻撃!!!」
超電動波サンダ−フォ−ス!!!
しかしジェネラルは伏せカ−ドに手をかけた。
「神のカ−ドにはいかなる罠カ−ドは通用しないぜ!」
「そのくらい知っているわ!速攻魔法カ−ド発動!」
ジェネラルは伏せカ−ドをオ−プンした。
「呪いの宝剣!自分の場のモンスタ−1体を墓地に送り、その攻撃力を場の他のモンスタ−に与える効果を持っているのだ!」
「何ッ!」
「これでオレの場の守備モンスタ−(異次元の戦士 攻撃力1200)を墓地に送り、1200ポイントの攻撃力をアスタロト(攻撃力3900)に移せば、オシリスの攻撃力を上回る。」
「そうはいかないぜ!伏せカ−ド発動!」
遊戯は伏せカ−ドを発動した。
「罠カ−ド、魔導士の破呪文!」
「魔導士の破呪文だと!」
「このカ−ドは墓地に魔法使いカ−ドが眠っている時に発動出来る罠カ−ド。ブラック・マジシャンが墓地に存在している時にこのカ−ドを発動する事により、相手の魔法カ−ドの発動と効果を無効に出来る。」
墓地に眠るブラック・マジシャンが、さっきとは違う呪文を唱えている。その呪文により、呪いの宝剣が発動する前に破壊されてしまった
ギャーーー!!!サンダ−フォ−スの直撃を受けたアスタロトが破壊されてしまった。
「ア、アス、ま、魔人、ア、アスタロトが・・・。」(LP2000)
「魔人アスタロトは破壊された、もうお前にはオレに勝つ手段は残されてないだろう・・・。」
「このオレが負けるはずがない!オレのタ−ンだ!」
ジェネラルはカ−ドを引いた、しかし場に出せるモンスタ−カ−ドは手札には無かった。
「このオレが・・・、このオレが・・・。」
ガチャン!ジェネラルはその場に両膝をついた。
「やはりオレ自身のデッキじゃなかったのが敗因か・・・。」
「と言うと?」
「魔人アスタロトの能力に合わせたデッキを組んだつもりだったが、やはり付け焼き刃なデッキでは到底勝てん。ましてやお前のようなデュエリストが相手ではな。」
「・・・。」
「降参だ。お前の勝ちだ、遊戯。」
「ジェネラル・・・。」
ジェネラルはデッキからアスタロトを取り出し、壁に空いていた穴に放り込んだ。
「これでアスタロトはフェニックスの言う、“カオスを導く六芒星”に納められる。フェニックスの目的は、3枚の神のカ−ドと3枚の魔人カ−ド、計6枚のカ−ドを使ってある儀式をする事らしい・・・。」
「儀式?」
「それがどんな儀式なのかはオレも知らん。だが、あのフェニックスという男からは何か得体の知れないものを感じた・・・。」
「・・・。」
ジェネラルが部屋の奥を指差した。薄暗いが、階段らしきものが見えた。
「お前がココに来る前、フェニックスから連絡が来た。『デビル・ディ−ラ−の所には海馬瀬人が向かったので、もし遊戯ボ−イがあなたに勝ったなら、城の屋上へと続く階段を教えてやってくだサ〜イ』とな。」
「そこに杏子が・・・。」
「行くがいい、決闘王・武藤遊戯よ。」
ジェネラルが道を開けた。遊戯は部屋の奥にある階段へと走っていった。
(3枚の魔人という事は、海馬が相手をしているデビル・ディ−ラ−という女も・・・。そして最後の1枚は・・・)
「フェニックス!お前に神のカ−ドは渡さない!そして必ず杏子を取り戻す!」