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〜王家の眠る谷〜
前編

ダークゲーマーさん作

作成:02/10/27
更新:02/11/17


【第1章ー始まりー】

 カッカッカ。誰かが歩いてくる音が聞こえる。ここは、王家の神殿の廃墟。一体こんな所に誰がやってくるというのだ。天井から差し込む淡い光によって暗闇からそいつは姿を現した。そいつは、神官のような身なりをしとてつもない威圧感を漂わせていた。
そう、そいつは『大神官 デ・ザート』。この国の重役である。
「ついに見つけたぞ。ハッハッハッハッハ!」
そういい残すと、デ・ザートは、神殿を去っていった。
 この国は周り一帯が砂漠となっていて、そこら中に狂獣が蠢いていた。ピラミッドのような格好をして獲物を狙っている『ピラミッド・タートル』や、死んだラクダの怨念『デス・ラクーダ』・『八つ手サソリ』・『ナイトメア・ホース』。
さらには、『イナゴの軍勢』が町を襲うことだってある。その度に国民は逃げ、耐えてきたのだ。
この砂漠にはもちろん盗賊だって存在する。中でも最も力を持っているのが『黒蠍盗掘団』である。黒蠍はピラミッドなどの墓暴きを専門としている。
そして今、『王家の眠る谷−ネクロバレー』が奴らの手によって暴かれようとしているのだ。こうして王家の眠る谷を巡って今、争いが起きようとしている・・・・
それは、誰にも止める事はできないのだ・・・ファラオでさえも・・・・・。



【第2章ー陰謀ー】

 この国では政治のほとんどをデ・ザートが行っていた。そのため、デ・ザートの力は王をはるかに超えていた。なので国はデ・ザートの思うがままに動かされ王や国民はそれを黙って見ているしかなかった。
デ・ザートが自分の書斎でかなり分厚い歴史書のようなものを読んでいると、
「トントン」とドアをノックする音が聞こえた。
「入れ!」
デ・ザートが言うと、扉を開けて『賢者 ファルコス』が入ってきた。
ファルコスは隼のような頭に人間の体を持つ鳥人であった。
「デ・ザート様、お探しになっていた『月の書』を手に入れたのでお持ちしました。」
ファルコスはそう言い終えると両手で一冊の本をデ・ザートに差し出した。
デ・ザートはそれを受け取ると座っていた椅子から立ち上がり本棚の方へ歩き寄った。
そして、本棚へとそれを入れ、高らかにこう言うのだった。
「これで、『太陽の書』『月の書』『生者の書』の3冊が揃ったぞ。不死王復活の日は
 近いのだ。アーッハッハッハッハー!」
宮殿にはデ・ザートの笑い声が不気味に響いていた。

そして、その時王家の神殿に飾られている『運命の火時計』に炎が燈ったのだ。


【第3章ー墓守の一族ー】

 「デ・ザートが3つの魔術書を手に入れたようです。」
偵察から帰ってきた『カーン』がそう言い放った。
「なるほど、ではじきに奴も動き始めるだろう。そうなれば我々はこの墓を守るために戦わなくては、ならないだろう」
答えたのは、この『一族の長』であった。そう、この一族こそ、墓守の一族なのだ。
 そしてここは墓守の一族が住居としている地底都市である。都市とは言えそんな大きなものではない。
話を聞いていた『アサシン』は『シャブティ』と共に表れた。
「今までだって幾人もの盗賊がこの谷を暴こうとしたが全て俺たちの力で守ってきた。それを、また繰り返すだけの話だ。そんなに悩む必要は無いだろう。」
アサシンが強気に言い放った。
「今回の敵は今までのような盗賊ではないのだ。デ・ザートはいくつもの魔術を使いこなす。さらに不死王の復活も狙っているのだ。」
カーンが言い返す。
「カーンよ、不死王とは『リッチー』のことか?だとしたら恐ろしいことになるぞ。」
長がそう呟くと、その場に沈黙がよぎった。
すると隅で話を聞いていた『従者リシド』が口を開いた。
「こうなれば不死王の復活を止めるしかないのでは?」
それしか方法はない。皆がそれに気づいた。しかし、それは掟破りの行動であった。
墓守の一族は偵察者としてしか、谷から出てはいけないのであった。
「掟は絶対だ。だが、この谷を守るためならそれを破るのは仕方のないこと。
 いつか必ずその時はやってくるのだ。そして今がその時なんだ!」
アサシンがそういうと長はこう答えた。
「アサシンの言うとおりかも知れん。我等の最終的な目的はこの谷を守ること。
 そのためには掟を破らねばならん。皆を集めろ。これからこのことを皆へ伝える。」
それを聞くと彼らはその場を離れ仲間を呼びに向かった。


【第4章ー迷宮の罠ー】
 
 デ・ザートは太陽の書からこのような文章を解読していた。
「神殿にまつられし運命を司る時盤に炎が燈り、その炎が天を指した時、不死王は
 復活するであろう。」
これを解読したデ・ザートはすぐさま神殿へと向かった。

 一方、王家の谷には、黒蠍が潜り込んでいた。墓守達は、デ・ザートととの決戦のことで谷の警備を手薄にしていたのだ。しかし、墓の入り口は『番兵』がいつも見張っているためそう簡単には通れない。しかし、黒蠍の七つ道具のうちの1つ『扉越し銃』により番兵はあっけなく倒されていた。
墓の中は狭い通路が続いている。不気味な風の音やミイラの呼び声などが聞こえてくるのである。通路を進むと広い部屋に出た。通路のようになっていて奥が見えない。
 周りを見ていると急に「ギギギギー」という音が鳴り響いた。すると、つり天井がどんどん下へ降りてくるではないか。それとともによこの壁は反転し、棘のついたニードル・ウォールが出現しこちらへ迫ってくる。『黒蠍首領ザルーグ』は大声でさけんだ。
「俺の後に続け!全速力だ!」
 そして、黒蠍一味はものすごいスピードで走った。ザルーグは余裕の表情だった。
さすが、何回もの実戦を乗り越えてきただけのことはある。
「もう少しで部屋の終わりだぞ!」
そして、無事黒蠍を次の部屋へたどり着く事ができた。
しかし、安心はできなかった。この部屋にはミイラが山のように横たわっていたのだ。それは、今にも動き出しそうなほどであった。一息もつかない間に不安は現実のものになった。横たわっていたミイラが次々と立ち上がり黒蠍の方へ向かってくる。部屋から出ようにも前はミイラだらけで進むことができない。
こいつらはまるで『王族親衛隊』のようだった。この部屋は、『悪夢の拷問部屋』と言っても過言ではなかった。そして、黒蠍は必死でミイラたちと戦いながら先を進んでいた。

墓守の一族も事態に気づき、ついに動き出すようだった。
長がアサシンに伝えた。
「戦場での指揮はお前が取れ。お前にはもうその力はある。」
「・・・長・・・・。」
アサシンがうなづきながら、戦いの準備をした。そこにシャブティが表れた。
シャブティは『お守り』を差し出した。
「これを持って行って下さい。」
アサシンは笑みを浮かべながら
「ありがとう。」
と一言返した。アサシンはその場を後にし戦場へと向かった。

こうして3大勢力は動き出した。



【第5章ー不死王降臨ー】

 神殿へと足を運んだデ・ザートは壁に刻まれた古代文字の解読を行っていた。
「読める!読めるぞ!」
そして、そこにはこう記されていたのだ。
「運命の火時計が時を刻むのを終えた時、不死王現世に降臨するであろう。」
ここでデ・ザートは1つ疑問を持つのだった。
(時を刻むのを終える時?どういう意味だ?)
だが、デ・ザートはすぐにその答えを見つけた。その答えとは針が一周することだったのである。
「そういうことか!」
何処からともなく声が聞こえてきた。
「誰だ!?」
デ・ザートはその者に問いかけた。
「『墓守の偵察者 カーン』だ!」
カーンはそう答えた。
「墓守・・だと。ほうまだそんな一族が生き残っていたのか。」
「時間がない!その火時計を破壊すれば不死王の復活は阻止することができる!」
そういうと、カーンは隠れていた柱から飛び出し火時計目掛けて攻撃を仕掛けたのだ。
「サンダー・ブレイク!!!」
デ・ザートはそう唱えると雷を放った。その攻撃は不運にもカーンに命中してしまった。
ようやく、援軍の長槍部隊が到着した。『長槍隊長 シグレ』はカーンに近寄り
「すまない。もう少し速かったらこんなことには・・・・」
と言った。カーンは痛みをこらえこう答えた。
「いいんだ。む・・無茶を・・しちまった俺に責任が・・・ある。あの、火時計を・・破壊
 してくれ・・そうすれば、不死王の・・・ゥ・・復活は・・阻止でき・・・」
言い終えるとカーンは息を引き取った。シグレは怒りに震えた。火時計は時を刻み続ける。
もうすでに、6分の5まで針が周っていた。
「時間がない!だが、これで終わりだ〜〜〜〜!」
叫びながらシグレは持っていた長槍を火時計向けて投げつけた。だれもがこれで全てが終わ
ると思った。しかし、投げられた長槍を雷が打ち落とす。
「私の存在を無視されては困りますね。フッフッフ」
デ・ザートが魔術を使い長槍を打ち落としたのだ。ゴゴゴゴゴ!急に地震が起こり始めた。
デ・ザートは歓喜に震えた。
「ついに不死王が復活するぞ!ハッハッハッハ!」
間に合わなかったのだ。不死王は・・・・降臨する・・・・